GoogleMap については今さら説明の必要もないだろう。GoogleMap といい、Google Earth といい、インターネットの世界が何処まで往くのだろうかと、時には薄気味悪くなるくらいである。そのGoogleMap を利用した地価公示等広報サイトがしばらく前から二件試行されている。
こういうものは、「誰もやらないから先ずやってみる(物見高さ)」か、「誰もやらないなら自らやってみる(リスクテイク)」か、どちらでも良いのであり始めなければ何も見えてこないのである。だから興味の有る方は一度覗いてみて下さい。
『地価公示/地価調査 Googlemaps API を使った動作テスト』
(ITS – 地価公示/地価調査 検索&分析サイト)
率直に評価してファイルとしての完成度は高くないし、今のままでは実務的利用には耐えられないが、一応全国の地価公示地価調査地点についてテスト版が実体験できることに優れる。何よりも全国初という点は大いに評価されねばならない。そしてGoogleMapが地価公示要覧案内図なみに実用に耐えうるMapであることが理解できるだろう。
『地価公示要覧試行版』
搭載されているデータは僅かである。というか岐阜県多治見市の一部に過ぎない。しかし、データファイルフォーマットとしての完成度は遙かに高いのである。アドレスをクリックしてサイトを開くとデータ一覧が示される。任意の公示データをクリックすると該当場所の二千分の一程度の地図が示される。
次いで地図上の「吹き出しに表示される所在地表示」をクリックすると印刷画面が表示されます。特徴は該当地点の位置図並びに官報記載事項プラス過去5年間の価格及び地価推移率が示されることです。A4サイズがデフォルトであるが、レイアウトはまだ未完成である。位置図部分の縮尺を可変にするとか、位置図表示を大きくするとか検討の余地があると云える。
【公示要覧試行版印刷見本を開く】
(社)岐阜県不動産鑑定士協会では、従来は冊子及びCDで発行していた「地価調査要覧」についてオンライン化を検討してGoogleMap の試験利用までは到達したのですが、その後の進行は躊躇されているようです。というのも、根強い「紙信仰」と「オンライン化による情報の無料化」への怖れみたいなものが背景にあるようです。当事者(執行部)にすればそれだけのことではなく、エラーに対する指摘・指弾への怖れもあるようです。エラーについては従来だって落丁もミスタイプもあったわけですから、「それほど神経質にならなくとも」と云えるのは責任のない一会員だからかもしれません。いずれにしても、地価公示等数値地図情報、地価公示等属性情報、GoogleMap という、いずれも公開されているデジタル情報を一定のフォーマットでリンクさせるだけのことです。と云う程簡単ではなく、あるレベルの技術力が必要ですが、やってみる価値は十分あるし鑑定士のプレゼンスにも寄与すると思うのですが如何でしょう。
GoogleMap を利用した「オンライン地価公示要覧」について、Bouenが理解している限りでの仕様を記しておきます。
1.GoogleMap は一般に商業利用は認めません。非商業利用即ち公益事業的利用であれば無償です。また未確認ではあるがGoogleMapはゼンリン住宅地図デジタル情報をライセンス利用するマップである。
2.地価公示及び地価調査データは官報もしくは都道府県公報記載事項であればデジタルデータの利用は無償で可能です。
3.GoogleMap と地価公示及び地価調査地図情報のリンクは、国土交通省がこれも無償提供する「国土数値情報」をダウンロードすれば直ちに利用できます。詳細は「こちら」で見て下さい。
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お久しぶりです、ITSの物部でございます。
GoogleMap を利用した地価公示データの開示につきましては、現時点のものはあくまで動作テストということで動かしておりまして(ほぼ放置状態ですが、^^;)、近いうちにJAREA Map として、全面的にリニューアルする予定になっております。
その際には、様々なフィードバックを取り入れシステムに反映させてまいる次第です。
その際は、どうぞBOUEN氏のご意見も是非是非お聞かせくださいませ。