祖谷の手乗り山雀

(10/06、祖谷渓へ)高松駅から予讃線経由土讃線・四万十に乗り祖谷渓へ向かうのである。連休のさなか座れないと老親が可哀想と思ったのか、次男が走り回って指定席を確保してくれたが、案に相違して車中はすいていた。始発高松駅は空いていても、瀬戸大橋線と合流する多度津あたりで混むかと思ったが結局ガラガラのまま祖谷渓へ向かったのである。「瀬戸内 フォト紀行 その4」


突然だけど、Blogレイアウトの関係上、この写真を掲載します。祖谷渓・かずら橋際の蕎麦屋での光景である。野生の「やまがら:山雀:しじゅうから」がヒマワリの種で餌付けされていて、手のひらに種を載せて静かに待っているとヤマガラがやってくるのである。画面の手は茫猿である。
口の悪い家内が「ロクジュウカラがシジュウカラに餌を遣っている」と云う。一羽二羽でなく谷川沿いの樹の枝に何羽ものヤマガラが留まっていて順番に手の上に降りてくるのである。結構楽しいし祖谷渓でこの鳥に一番感激し癒された。 【判るかな、祖谷で癒されるのだけど】

さて高松駅で乗車したのは、JR特急しまんと5号である。
9:10 高松駅(香川) 発  10:38 大歩危駅(徳島) 着
大歩危駅からはバスなどもあるにはあるが便数が少ないから、結局タクシーに乗車するのである。タクシーの運転手さんに「連休だけど空いてますね。」と聞いたら、都会からのお客さんが入るのは早くて昼頃ですと云われた。鉄道利用の客はめっきりと減り、自家用車か大型観光バスで来るのだと云うことである。だから四万十の中も空いていた訳だ。
祖谷渓のお目当てはかずら橋である。大歩危駅からタクシーで向かうと三十分もしない内に、徳島県三好市西祖谷山村かずら橋に至るのだが、あっけなく着く現地は秘境などと云うイメージは皆無に近い。かずら橋の上から祖谷渓を覗いてみる。上流に人の住まない川はかくも綺麗かと思わされる。

下流側のRC製永久橋より望むかずら橋である。これだけ見てれば秘境ムードであるが、ところでこの写真はどこから撮ったのということである。

画面の奥に、怖々渡っている後ろ姿が茫猿である。家内などは渡り切るに三十分くらい要した。我々Bouenファミリーが早い昼食を祖谷蕎麦で終えた頃に一団の観光客が着いて渡り始めたが、やはり揺れが大きくなるから渡れない人もでてくる。

秘境の景観をぶち壊しに壊しているのが祖谷川対岸のバイパス沿道に造られた巨大駐車場とドライブインである。どうやら三セクからみのようだが、川底から巨大なRC柱を組み上げてRC版清水の舞台に駐車場とドライブインを設けている。向こう側から見れば自らの足下は見えないだろうから良かろうが、こちらからは写真のとおりぶち壊しである。大型観光バスを橋際まで入れる為だそうだが、何とも情けない景色である。目先の収入のために折角の景観も環境もぶち壊しているということに気づかない愚かさが惜しまれる。

例の巨大支柱組上げを眺める対岸道路沿いにあった砂防指定地看板。

以前は、手前の大型駐車場から観光客を橋際まで運んだ懐かしいボンネットバスも今や開店休業状態である。1970年前後の製造で、腕木式方向指示器やフローリング床などがとても懐かしい。

ボンネットバスの「いすず」ヘッドマークである。下流の大型バス駐車場からボンネットバスで曲がりくねった道をのどかに運んでいれば、秘境の雰囲気も残せるし、何より並の観光地に堕ちなくて済むのである。目先、腹中の金の卵が欲しくて親鶏を殺した愚か者と同じなのである。

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