島々にエール

先頃の三連休に、とある野暮用で上京し、その野暮用の合間をぬって、「アイランダー2007」という催しを覗いてきた。


「アイランダー2007」は94年以来続く国交省主催の催しで、運営は国交省とその外郭団体である財団法人日本離島センターによるアイランダー2007実行委員会が行うものである。催しの詳細は「このサイト」からご覧下さい。
訪れての感想その1は、さすが東京である。この程度の官製催しをマイナーな場所で開いてもそこそこ多くの人が集まってくるのである。その2は人が集まるのは「酒・食べ物を主とする物産ショップ」である。食品等を販売していないブースの集客力は低いようである。その3は意外というか団塊世代大量リタイアを象徴するというか「移住、定住紹介」を看板にするブースが結構多かったことである。
某南海の島人と語らったことは、「東京都民の0.1%で12千人です。取り敢えずは0.01%が関心を持ち、島を訪れてくれた嬉しい。」ということでした。全国には過疎対策や島振興策に悩む離島の数知れず、このような催しに参加する意欲も機会もない島も多いのかもしれません。
何よりも「バンコック4泊5日6万円」に対抗できる島々ツアーが企画できなければならないと思います。例えば、「確定申告で保険料と同じように離島へ訪れる観光交通費は全額控除対象とする」などできないでしょうか。突拍子もないアイデアを実現に向けてゆく、島々にまだ余力が残っているうちにこそそんな馬鹿力が求められているような気がします。
島々が元気になることは日本という身体の末端細胞が元気になることであり、とても意味があると思う。だから先ず、島々が元気になる方策施策を考え実行することが、結局のところ日本全体を元気に陽気にするのではなかろうかと思う。
島々は過疎化と高齢化が同時進行しているのであり、十年後が展望できない島も多いと聞く。であれば、先号や先々号で話題の就職氷河時代を過ごした人々に新しい機会を差し上げたら如何だろうか。iNetスキルとか農林漁業リテラシーといったものを学ぶ施設を設け、島で実践する機会を用意するということも考えられないだろうか。団塊リタイア世代が島に移住してもいずれは老々団塊になるだけである。
このようなフェースツーフェースの催しも大事でなのですが、iNetの時代なのだから、島の物産や定住や観光などを横断的クロスオーバー的に扱うサイトができてもよいのではと思いました。島々が単独で物産販売サイトを開いても供給商品の種類と量に限りがあるわけで、互いに横の連繋を持って有機的なバーチャルショップが構築できたらいいのにと思いました。ヤフーなどがメセナ的に始めないだろうか、それとも目端が利いてスキルが高い誰かが始めないだろうか。
『通りすがりのオジサンの勝手な感想ですが』
縁ある島は、物産も移住も観光もなく、キャッチフレーズは「環境と福祉の島」であり、主な展示品は産廃現場資料でした。廃棄物対策の歴史の重みは理解しますが、50近いブースのなかで唯一学習を求めるブースであり、やや浮いているというのが率直な感想です。明るく楽しい雰囲気の展示ブースが多いなかで一つだけ唐辛子やワサビみたいなブースがあってもよいのでしょうが、ぼちぼち『産廃は昨日、今日から明日は虹色の島興し』的な雰囲気がほしいなと思いました。
慶良間諸島の島唄を聞き、陽気なお姉さんダンサーを拝見してたら何故か目頭が潤んできた。島暮らしの楽しさは判るが総じて云えば島暮らしは厳しい。特にライフラインの面で恵まれないこと甚だしい。そんな島から遥々と東京に出てきて、ステージともいえない仮設広場でそれほど多くもない観客を前にしてにこやかに踊る島びとの気概を思うとたまらなくなるのである。
『通りすがりのオジサンの過剰な思い入れなのですけれど。』

島のブース

年額3万2千円の定期借地権地代で移住を薦めるブース。

94年開催の第一回ポスター

同じく95年第二回ポスター

おまけは東京都の蓋です。

昨日の中日新聞夕刊記事から、こんなサイトにたどり着きました。島々ではありませんが、岐阜県奥美濃の山間過疎地で村興しに取組む人々の紹介サイトです。色々とあるのだナーという感慨です。

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