郊外の大型書店で時代小説や歴史小説の文庫本漁りをするのにも疲れて、久し振りにiNetで書籍を注文してみた。
Life is beautiful:中島聡氏のブログ記事に惹かれてのことである。 注文したのは次の4冊で、いずれもWebがらみの書籍である。
“おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由”
中島 聡; 新書; ¥ 790
“ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!”
梅田望夫; 単行本(ソフトカバー); ¥ 1,365
“松下で呆れアップルで仰天したこと?”
竹内 一正; 単行本; ¥ 1,470
“パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本”
海部 美知; 新書; ¥ 760
注文書籍のなかで、梅田望夫氏の「ウェブ時代 5つの定理」については、氏のウエブサイトで抜粋が紹介されている。
【ウェブ時代 5つの定理】
その1 アントレプレナーシップ
その2 チーム力
その3 技術者の眼
その4 グーグリネス 自発性に導かれた「時間」
その5 大人の流儀
いずれの定理にも梅田氏らしい切れ味のよいコメントが述べられているが、そのなかから幾つかを紹介してみる。
『技術者の眼』より
「大きな技術の流れ」に逆らって何かを達成し、短期的にどうにかなっても、長期的には成功を持続できない。そんな経験則が、社会の隅々にまで存在する「技術者」系リーダーたちのすべての意思決定の前提として、根強く存在している。そんな基盤があってこそ、グーグルのようなスケールの大きい創造的イノベーションが生まれるのである。
『大人の流儀』より
若者たちに志向性の追求と個性の発揮を奨励し、挑戦を促し、真摯(しんし)な失敗に対してはおおらかな態度で接していく。そんな成熟した「大人の流儀」がイノベーションを育む苗床(なえどこ)となるのだ。
ところで標題の「優先順位」であるが、今までの記述とは何の脈絡もないように見えるであろう、でも茫猿はこの頃、優先順位を考えることが多いのである。老境一歩前の鄙の堂守でも「今日の糧なくして、何の風流ぞ」という心境に陥ることしばしばである。でもやはり優先順位なのであろうと思い直すのである。 鑑定評価という仕事であれ、ブログテーマであれ、鄙の堂守の在り様であれ、日常茶飯事であれ、何を先にすべきか、何を捨てるべきか、捨ててもよいのかと日々考えること、何よりも少しばかりスパンの長い視点を忘れないことが大切なのであろうと思うのである。それが『大人の流儀』なのだろうと思うのである。
先日来のエントリーでも述べていることであるから我田引水の誹りを覚悟の上で云うと、ビジネスの(ビジネスだけに限らないが)大きな潮流はデジタル化であり、ネットワーク化であり、ウエブ化であり、不動産情報のコモディティ化にあると考えることから、この流れを見据えてどのようなビジネスモデルを構築すべきかと考えるのである。優先順位の選択もこの流れを意識することの上でこそ為されるべきものと云えよう。
今日は桃の節句であるが、我が陋庭ではやっと梅が七分咲きで、桃にはほど遠いのであるが、05/04/15に撮った桃の花がファイルに残っていたので掲載してみた。この季節は娘のことを思い出すことが多いのである。彼女の死後間もない岐阜事務所の開設、さる施設へヒナ飾りを寄贈したこと、そしてこの春はその事務所に一つの句読点を打つこと。 老境間近であればこそ、大人の流儀や優先順位の保ち方などがますます大事なことと思えてくるこの頃なのである。
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