畏友田原氏が最近のエントリーで「不動産業の業況の分水嶺は2007年7月だった」と題する記事を掲載している。 (財)土地総合研究所が公表するDI指数についての記事である。とても興味ある記事だから紹介させて頂くが、ただ紹介するだけでは芸がないので、一工夫してみるのである。ともすれば変動する地価の後追いになりがちな地価公示結果や地価調査結果について、DI指数との対比を比べてみれば何かが見えないかという手遊び(テスサビ)である。
四半期ごとに調査公表されている(財)土地総研のDI指数の時系列変化と、半期毎に調査公表される地価公示価格と地価調査価格の対前年比変動率がどのように対比されるかを眺めてみる。対前年比地価変動率とDI指数をそのままグラフ化しても両者の関係がよく見えてこないので、地価変動率は十倍値にして判りやすくしてみた。 08/10時点に係わる地価推移率は地価LOOKから類推される指数である。
【DIと地価変動率対比ファイルを開く】
DI指数がプラスからマイナスに転じたのは、07年07月であるが、地価推移はまだ上昇傾向を維持し、上昇率が横ばいあるいは縮小に転じるのは半年以降のちのことである。 変動率±0あるいはマイナスに転じるのはさらに後のことである。 半年ごとに対前年比年率で公表される地価推移率とDIを単純に比較するのは誤解を招きやすいが、それでも先行指数と遅行指数の対比から何かが見えてくるのではなかろうか。
茫猿はこれらのデータに取引一次データを基礎とするエリア的取引頻度状況を地図表示できればと考えている。 それはNSDI-PTの目標の一つでもある。
※例えばこのような、調査期間中の取引発生地点を地図に表示して、今現在、市場の関心が集中する地域をビジュアルに示す地図である。 このような地図を作製することに技術的な障壁は何もないし、全会員あるいは社会に開示することにも問題点は何もない。 たった一つ障害になるのは取引一次情報が全く開示されていないということだけである。
【取引頻度状況例示地図ファイルを開く】
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