郡上蕎麦と新橋囲炉裏

郡上の蕎麦についてはとてもマイナーな話ですが、新橋の囲炉裏はややメジャーかなと思われます。 六月の二日に在京しましたが、その日の会合終了後に立ち寄ったお店の紹介と、今日の昼食場所の紹介です。


先ずはメジャーな新橋の囲炉裏です。 06/02は在京して会合に出たのですが、二時間半近く続いた会議と云うよりもプレゼンを午後四時頃に終えた茫猿はやはりとても疲れを感じました。 何分にも早朝に岐阜を発っていますし、新幹線のなかでも書類に目を通していたのですから、緑寿の茫猿が疲れを感じない方が不思議でしょう。
そこで、その日のメンバーのなかにはワインに精通し「K・葡萄酒的日常」と自称されるお方もいたことから、鑑定協会事務局にほど近い「愛宕山下のテラスを持つ酒屋さん」というか「酒屋も営んでいるパブ(ビールならパブでしょうが、この場合はワインテラスの呼び名がふさわしいのかもしれません。)に会の皆さんをご案内しました。
そのお店の名前は「愛宕小西」といいます。愛宕東急インのある通りに並んで店を構えるこざっぱりしたワインテラスです。 通り沿いにオープンテラス席が設けてありますから、ちょうど今頃(旧暦でいえば若葉薫る陽気の頃)にふさわしいお店です。 ワインの他にもチーズやクラッカー、カナッペなどの軽食も提供してもらえますし、何より酒屋さんの経営ですからワインのお値段が一般市場価格なのです。

当然のことですが、五時前ですから通りを行き交う紳士淑女はお仕事中・勤務時間内です。茫猿を除く会員氏は皆さんがアラフォーだから、この時間に飲酒するのは何やら気が引けると尻込みされたのですが、「パワーランチ」という表現もありますよと、いつもの事ながら強引な茫猿は「葡萄酒的日常・K氏」にワインの選択をお任せして、懇親会を始めたという訳です。
K氏の最初の選択はスパークリングワインでした、それもボルドー産です。さすがに日常的葡萄酒氏だと認識を新にしました。 その後五時を回るに付け赤白取り混ぜて確か4本は空けたかなと思います。  この「愛宕小西」さんには店内席もございますから、季節を問わずお洒落にリーズナブルにワインを楽しむには、とても良いお店です。 なお念の為に申し添えますが、このお店の発掘者は日常的葡萄酒氏に優るとも劣らない、この日はお顔を見なかった浜っこワイン通の「S.K氏」です。
茫猿がこのお店を好きなわけは、定宿の愛宕東急インに近いこと以外に、テラス席では喫煙も許されるからです。 茫猿にとって在京は非日常です。「ケ」ではなく「ハレ」です。 それに加えて緑寿でもありますから、昼間の飲酒も許されるべき事と自認しているのです。
さて、愛宕小西は囲炉裏とは無関係です。 新橋の囲炉裏はこの次のことです。 ワインを空けた仲間達は帰途につくのですが、まだ六時前のこと、このまま帰るには早すぎるし、新幹線の最終までにはタップリと時間もある。(茫猿は愛宕泊まりです。) そこで新橋方面に歩きながら適当なお店を見繕うということになりました。 独りや二人では二の足を踏むのでしょうが、数名もいれば、そこはそれ騎虎の勢い、酔虎の勢いというものです。 そこで見つけたのが「新橋の囲炉裏」なのです。 正確には新橋二丁目の路地奥、「いろり庵:然」というお店です。

「然」は茫猿が発見しました。先ず名前が佳い、何やらいわくがありそうです。 それに路地奥というのもおとなの遊び場所にふさわしい。 店の構えやあしらいも好ましい雰囲気です。 店内はカウンター席と揚がり座敷席数席からなっていて、座敷席には何と囲炉裏が切ってあるのです。 店名がいろり庵ですから当然といえば当然ですが、これには全員が感激したのですが、残念なことに囲炉裏を使っての飲食は予約が必要とのことで、厨房で調理された料理を囲炉裏を囲んで頂いたというわけですが、このお店は名前からもお判りのように、和食店です。 若鮎の塩焼き、地鶏の網焼き、ビール、焼酎などをいただいたのですが、シツライの良さに加えてお値段もリーズナブルという、参会者全員が納得した水無月の宵の酔いでした。
次はマイナーな話題です。 今日の昼食をいただいた「郡上八幡・郡上警察署」付近のそば茶屋の話です。 郡上は蕎麦屋さんが多いのですが、なかなかこれはというお店に出会えません。旧来からの街区に行けば好ましい蕎麦屋さんも多いのでしょうが、仕事の途中で駐車場があって判りやすい場所、行きやすい場所にある蕎麦屋さんは、どちらかと云えば帯襷(オビタスキ)です。

そば茶屋さんは、県道沿いにありますし、駐車場も広いから昼食場所にはうってつけのお店です。 母娘の他には二名ほどの使用人で営業されているようで、信州北山のそば粉をお使いとのことでした。 このお店が嬉しいのは、蕎麦が水準以上であることに加えて、昼食用にミニ丼セットが品書きにあることです。 カツ丼、親子丼、かき揚げ丼があったのですが、茫猿がお願いしたのは、蕎麦好きならば当然のこと「かき揚げ丼」です。 ドンブリよりは小さく飯茶碗よりは一回り大きい椀に桜エビたっぷりのかき揚げがとじ卵と一緒に乗っているかき揚げ丼は、ざる蕎麦ともよく合いました。
肝心な蕎麦ですが、ざる蕎麦は冷たさを感じるほどに冷水できっちりと締められてあり、香り、茹で加減、喉越しのいずれも水準以上です。 盛りつけも渋い絵付けの深皿に簀の子を敷いて盛ってあり、これも好ましいアシライでした。 難を云えばワサビが溶きワサビだったことと、かき揚げの挙げ具合が気持ち柔らかいこと、溶き卵がレアでなくミディアムだったことですが、かき揚げ丼付きザル蕎麦で780円ですから、難を云う方が無理難題と云うべきでしょう。 郡上へ行く楽しみがまた増えました。 そば茶屋さんの写真を載せますから探してみて下さい。 (店内表示によれば、蕎麦は信州北山蕎麦を使用するとのことです。)

仕事の依頼先付近で見かけた満開のサツキと葉を落としかけている竹秋です。

サツキを毎年毎年このように咲かせるには、これからが大事なのです。先ずは花殻を丁寧に取らなければいけません。 そして真夏前(翌年の花芽が作られる前)に剪定をしないと、毎年このように咲かせることはできません。 たまにサツキやツツジを秋前に刈り込んでいる家を見かけますが、せっかく秘かに作られている翌年の花芽も刈り込んでしまうのですから、勿体ないことです。

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