泰山鳴動して蛇が出るか鼠も出ないかは年末くらい迄は待たなければならないであろうが、昨夜は小説よりも奇な事実に深夜過ぎまでテレビに付き合ったから、今日は一日昼寝である。 小選挙区制度にあり得ることとはいえ、三百から三百への振幅は今しばらくの学習期間なのかバンドワゴン現象か、それとも軽佻浮薄付和雷同の国民性なのか、これはあと数回の総選挙を経てみなければ判らないことである。
今回の結果で、長崎2区からの福田えり子氏の当選は一陣の清風である。 彼女の大成を期待すること大である。 残念だったのは保坂展人氏の落選である。 比例復活にも届かなかった。政権交替の大波に呑み込まれてしまったということなのであろうが、残念である。
さて、まことに俗な話で申し訳ないが、この事実上初めての選挙による政権移動の結果を眺めていて思わされることがある。 不動産鑑定業界には不動産鑑定政治連盟という政治団体が二十年以上も前から存在し、それなりの活動を続けている。 自民党を主な対象とする活動を専ら続けてきているし、仄聞するところでは、今回の選挙に際しての支援候補者も専ら自民党であったと聞いている。 結果は一勝二敗か一勝三敗であったと思われる。 個々の勝敗もさることながら政権が移ってしまったのだから、今後の活動相手先は民主党へと鞍替えするのかそれとも、自民党の復活を期待するのか、これも悩ましいところであろう。
それよりも、年末の予算編成に際して来年以降の地価公示等いわゆる四大公的評価の行方が気懸かりである。 民主党マニュフェストによれば、事業優先順位を明確にかつ選別してメリハリのある予算編成を行うという。 特に多省庁にまたがる類似事業について大鉈を振るうやにも聞こえてくる。 元々が一物三価とも四価ともいわれる公的評価額を統一するために現行の評価体制になったという経緯が存在するのであるが、いわゆる公的評価四者は一応のリンクは存在するものの、必ずしも有機的連携が得られているとは云えないところがある。
政治がそれらをどのように評価するのかが少し気懸かりである。 何も政治が関与しなくとも、所管省庁の側で、背に腹は代えられないということから、有機的連携を取ろうとしたり一層の効果的運用を図ろうとしたりして、そのシワヨセが評価業務受託側に及ぶということが有りはしないかと気懸かりなのである。
長く、国交省をはじめとする所管省庁の誘導や指導に多くを委ねてきた業界であるし、民主党の言う国民目線で業務改善を図ろうとすることなどなかった訳だから、何が起きてもやむを得ないと言えば、やむを得ないことではあるが、やはり気懸かりである。 そういえば、六月総会後の懇親会への政界出席者は総て自公関係者だったと記憶するが、会の閉宴間際に民主党最高顧問の藤井裕久氏が顔を出されたと記憶する。 鑑政連横須賀会長の変幻自在の対応が期待されると云えば、あまりにも俗過ぎる話だろうか。
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