政権交替

 歴史上初めて選挙でもって第一党が交代し、政権が交替した。鳩山新政権の発足に祝意を表すとともに、国民目線の国民生活優先の政治を行ってもらいたいものと願うのである。


 今度の民主党鳩山政権を小鳩政権とか小沢支配とか、マスコミは相も変わらず旧態依然たる揶揄を浴びせている。 自公擦り寄り体質が骨絡みである大手新聞やTVとしては、それしか表現方法を持たないのかもしれないし、多少は去りゆく自公政権への阿諛追従・惜別の辞でもあるのかもしれない。
 しかし、考えてみれば小沢支配は当然のことである。 小沢氏は06/04に民主党代表に就任し、07/07参議院選挙に勝ち、09/05まで代表を務めている。 代表辞任後も代表代行筆頭を務めて、今回の総選挙勝利に大きな役割を果たしている。
 これだけの功労者に発言力を認めない方がおかしいのであり、小沢氏の発言に重みが生じるのは当然のことであろう。 当たり前のことを、「闇将軍」とか「陰の支配」とか面白おかしく囃し立てるのは近年のマスコミの幼稚性の表れであり、政治をワイドショウとしてか表現できない、マスコミ自身の語彙の貧しさを表すものであろう。 TV映りがコワモテの小沢氏、にこやか柔軟な鳩山氏を比較すれば、豪腕小沢対友愛鳩山と云うのも、ある種やむを得ないことでもあるのだけれど。
 小沢支配を高言する人達に尋ねたいことがある。 小沢氏は党幹事長に就任したのである。 内閣総理大臣として党務を離れる鳩山代表の代わりに、党務に責任を持つ幹事長を表現して「支配云々」は失礼というものであろう。 問題はこれからの党務や政務に独断、独裁、偏見が生じるか否かであり、マスコミの役目は第四の権力として、そのような動きを監視することにあるのであり、ワイドショー化したり揶揄したりすることではなかろうと思われる。
 民主党には代表経験者が四人いる。 だからすべからく、菅支配であり、岡田支配であり、小沢支配、鳩山支配なのである。 彼等四人はマニュフェストでは合意したのであるが、細部にわたって合意したのでもなかろうし、一致している必要もないのである。 局面局所で意見を述べ、互いに議論を闘わし、その都度最善の方法を選択してゆけばよいのである。
 闇支配とか陰の将軍とか院政といえば面白いであろうが、いつまでも面白おかしくミーハー的にしか政治を語ることができないとすれば、マスコミが床屋政談しかできないとすれば、それはマスコミの凋落であり退廃であると云わざるを得ないのである。
「追記1」
 敗れた自民党議員秘書の新しい就職探しのニュースレポを見たのだが、失業秘書氏がしみじみと述懐していわく、「世間はこんなにも厳しい就職難だと改めて実感しました。」というのがあった。  その秘書氏が誰の議員秘書だったかは報じられなかったものの、先日までの永田町・自民党の空気をとてもよく表していると興味深かった。
「追記2」
 内定した各省大臣が副大臣や政務官を一本釣りしているという、なかには四名もの大臣内定者から声が懸かっている中堅議員もあるという。 各省大臣は自らが実績を挙げるためのチーム編成に懸命なのであろう。 自民党政権では当選四回で政務官、五回で副大臣というトコロテン派閥順送り人事が行われ、キャリアを重ねることが優先され、該当省庁の業務に精通しているか否かは二の次三の次であったのに較べれば、とても佳いことである。 各省庁大臣が自ら主導してより佳いチーム編成を目指すとすれば、こんな佳いことはない。 それだけでも政権交替の果実の一つであろう。

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