09/10/11、陽も落ちて紅丸提灯が夜空に鮮やかになる頃ともなれば、今年の祭本番の刻限となる。寄せ太鼓に始まり、高張り提灯と十二灯の先導で子若連が曳く太鼓が境内につづく坂道を上がってゆく。子供の数が少ないと大人も牽かなければ太鼓が坂を登ってゆかないが、この頃では新しい住民も増えたことから今宵は子供の数が多いので、大人は太鼓が速く進みすぎないようにと押さえ役である。
ドーン、ドドーン、ドドドーンと寄せ太鼓が村一円に祭の開始を告げる。ちなみに寄せ太鼓を打つ彼は地域消防防災組織(輪之内町消防団)の幹部として活躍している。彼の主宰するサイトはこちらである。消防に関する豆知識のお勉強をはじめとして、日常の訓練活動の全てを知ることができます。
竹笹に多くの豆提灯を灯した先導の十二灯が提灯屋形をくぐってゆく。この豆提灯はお社頭・拝殿前に到着すると子供たちに分け与えられるのだが、昔はおとなが分けるまでもなく子供たちが争ってむしり取ったものである。
元気いっぱいの子若連が太鼓を曳き上げてゆく。
太鼓の進むのが早すぎると、打ち手のバチが太鼓に届かなくなるから、進む速度を加減する呼吸もそれほど易しくないのである。
これからは太鼓百景である。曲が違うから打ち方も違うし、打ち手によってスタイルも様々である。延々と太鼓打ちが続くから、関係者とその縁者以外には興味が無かろうと思われるが、今夜は白髭神社2009年:祭若衆全員の太鼓をお見せします。音をお聴かせできないのが残念といえば残念なことですが、若衆全員が引き締まったとても佳い面構えで太鼓を打っています。
まずは最初の奉納曲”豊後下がり”の表と裏です。調べは荘重です。
次は”止車”の表。奉納七曲のなかで一番長い曲で、しかも途中でテンポが変わります。裏を打つのは豊後下がりと同じ演奏者ですから、写真は割愛します。
”岡崎”の表、裏。
そしてヒャーヒャリコ、この曲あたりからテンポがアップします。
お亀、デデデンガ デーンと、とても軽快な曲調です。
トッピーヒャ、曲名ほどには跳ねません。
奉納の最後は兄若衆がうつ”打ち囃子”です。一年間にわたる、祭当番責任者のお勤めご苦労様でした。
2009’兄若い衆頭の彼は、真面目な勤労者&佳き父親という顔の他に、鈴鹿サーキットのR130を200kmで駆け抜けてゆくドリーム・ライダーという顔を持っているのです。 「この写真」を見て、彼がアラ・ファイブを過ぎつつあるなんて信じられましょうか。
笛方を勤めて頂いた皆さんには生演奏で祭を支えて頂きました。笛を吹ける方は数少なく、今宵集まった方は四名だけです。”まだ四名も”いるといってもよいのかもしれません。伝える人がいるうちに、後継者の育成が課題です。
延々と同じような絵柄にお付き合い頂き有り難うございました。これにて「山降ろし(屋形や幟などの後片づけ)と一年の労を互いにねぎらう打ち上げ・引き払いを残すのみです。
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