此の春は諸般の事情で遠出は控えめにしている。考えていた桜巡りは取りやめ、今年の桜は鄙桜に限り、その分濃密に観てゆこうと思っている。毎朝々々、同じ桜を飽きず眺めるなんてことは、かつてなかったこと。 これも得難い機会なのであろうと考えている。
さきほど、西国某士協会のO氏から電話があった。彼の所属する士協会ではこの秋に新公益法人設立を目指して着々と準備を進めているとのこと。 課題は標宅評価だけど、今は細部に拘らず、地価公示・地価調査の分科会を士協会が支援するのと同じように、的確かつ適正な評価が行われるように士協会は支援するという一点にしぼってコンセンサスを得つつあるという。
さて桜便りであるが、我が鄙桜の芽吹きから葉桜までを、定点観測的に追ってみようと云うのである。この2010.03.30初発エントリーは、日々更新してゆくのである。
木々の多くはまだ冬の佇まいが色濃いけれど、芽吹き始めた鄙桜。
2010.03.29 同じ桜を居室の窓から眺めれば。
【2010.03.30 15:00 追記】
午後からの陽気で一輪咲いた。
2010.03.30 今朝の鄙桜をシェード越しに。
【2010.03.31 08:50 追記】
大本命の鄙桜が数輪の花を開いた。多くの蕾が膨らんでいる。
2010.03.31 08:50 今朝の全景、小さな白い点(花)が数カ所見えはじめた。
【2010.04.01 09:15 追記】
早朝に雨、今は雨模様の曇り空。今朝の鄙桜と大島桜。
大島桜は二分咲きくらいか。
鄙桜は咲き初めといったところ。
今日はエイプリルフール。例によって例のごとし、iNetの世界では斯くの如し。
※Googleはこれ・ダジャレリサーチ
※Yahooはこれ。インベーダーゲーム
※円谷プロも凝っている。
※小学館は・・・・・。
【 2010.04.02 09.15 追記】
早朝に降雨、雨模様の曇り空、風強し。 雨風にうたれて早くも桜の花びらが水たまりに散っているのを見れば、いまさらに”花に嵐のたとえ”を思い起こす。 でもこの寒さで此の春の櫻のいのちは長くなるだろう。
【 2010.04.03 10:50追記】
穏やかな陽ざし、櫻の枝を揺する風あり、時おり雲が陽ざしをさえぎる。 ソメイヨシノと大島桜は五分咲きくらいか、鄙櫻はやっと二分といったあたりか。風に花枝が揺れている。
晴耕雨鑑に相応しい日だから、これから果樹の刈り込みを行う。本来なら剪定作業であるが、長年にわたって緩慢な作業しか行っていないからやたら徒長している梅や柿を、昨冬から脚立を必要としない高さにばっさりと刈り込んでいる。 某日、専門農家からプロ並みの仕立てだねと評された。
【 2010.04.04 08:15追記】
穏やかな春の陽ざしの朝、空気はやや冷たいが風はない。
鄙櫻はほぼ六分咲きだが、大島桜はほぼ満開、それにしても辛夷の花付きが今年はとても悪いのが気がかりである。
【 2010.04.05 20:20追記】
春めいた陽気に誘われて、一気に開花が進んだ鄙桜であるが、生憎の曇り空の下ではイマイチ写り映えがしないので、夜桜見物と洒落込んでみる。 ライトアップされた鄙櫻が川の水面に写っている。 部屋の灯りを消して窓越しに眺めれば、なにはさておき”己が櫻哉”の贅沢な気分である。
【 2010.04.06 06:10追記】
此の春も鄙桜は満開の時を迎えました。花に先駆けて芽吹いた若葉も緑が少し濃くなって、花の白さと心地よいグラディェーションをつくっています。
「しきしまの 大和心を ひと問はば 朝日に匂ふ 山桜花」(宣長)
「願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ」(西行)
と詠われた花は此の櫻です。 咲くや散ろうとするソメイヨシノ桜ではありません。戦中に大和心と喧伝された桜はソメイヨシノです。
「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!」(基次郎)
この桜はソメイヨシノでしょう。
2010.04.06 16:30 屋内で21度、初夏を思わせる陽気である。今の窓桜
茅屋の窓越しに我が夜桜を眺める也。
【 2010.04.07 07:30追記】
今朝は花に嵐の到来を思わせるような、風強く雨が近そうな曇り空。花枝は風に大きく揺れている。昨日まで梢付近を咲き残していたが今朝は皆開いている。
曇天のした揺れる櫻
庭の隅ではミツバツツジが咲き始めた。
【 2010.04.08 07:20追記】
快晴、ほぼ無風、屋内10度、冷気がとても心地よい朝である。
朝陽を浴びて輝く鄙桜。このときを経て春は過ぎて行く。
(2011.02.04 追記) この頃に、毎朝車イスで点滴に通う母が、イスのうえから桜を眺めて「きれいに咲いたね。」と呟いたのを思い出す。 来春には見ることも叶わないだろうにと思いながら、車イスの母とふたり、しばし眺めていたことを思い出す。 あの時、末期ガンを承知していた母の心中はいかばかりだったろうかと思い出す。
窓桜も一番の見頃期を迎えている。
09:00 陽が高くなるにつれ、姿を改める鄙櫻
薄桃白と浅緑のグラデーション
【 2010.04.10 10:20追記】
晴れ、薄曇り、屋内16度、長閑な春の土曜日の朝である。
通院の行き帰りに家人の目を楽しませた鄙桜も昨日から”散初め”の時がきた。今朝は無風だから散る花は見えないが、昨日の午後はかすかな風にも花がゆらゆらと舞い落ちていた。
薄墨桜は、満開時には白色、散りぎわには淡い墨色になることから、淡墨桜という名を得ているが、我が鄙桜は満開時に若葉の淡緑に映える白色、散り際には薄い桜色を増して散ってゆく。 左が今の鄙桜、花の中央から桜色を増しつつある。右が桜色に染まって散り初めた椀中の花筏。
まだ満開状態にある大島桜越しに鄙桜を眺める。
【 2010.04.12 07:50追記】
雨、気温屋内18度。
昨日は曇り空のした、風に追われて落花盛んの鄙桜も、昨夜からの雨にうたれて今朝はもう葉桜の風情である。駐車場にも車の上にも散り敷いた花びらが雨に濡れているのを見れば、この春も過ぎてゆくのだと思わされる朝である。 咲き始めてから気温の低い日が多かったから、此の春の桜は長く目を和ませてくれただけに、散りゆくさまはとても速いようである。
此のさくら 有りて今朝の 雨たのし (茫猿)
車窓に落ちた花びらを、車中から撮ってみました。
梢ちかくは花を残していますが、中程から下はもうすっかり葉桜の風情です。
【 2010.04.13 09:10追記】 曇り、気温屋内18度。
鄙桜はすっかり葉桜になりましたが、まだ次に控える山桜や八重桜が咲きつつあります。花付きが悪くて案じていた辛夷(コブシ)も新芽を吹き出しました。 ハナミズキも赤い芽をを膨らませています。陋屋が浅緑、若緑、黄緑、萌葱、浅黄のグラデーションに彩られる時期も間近である。
【 2010.06.21 09:50追記】 曇り、気温屋内25度。
鄙桜を桜蕾から追いかけた三寒四温の日々は、同時に母の介護の日々でもありました。 今、母は亡く桜はその実も熟し切っています。数日前までは桜の実をついばみに小鳥たちが何羽も訪れていましたが、その実も既に落ちてしまい鳥もやってきません。
こんな風に一本の桜を追いかけたのは初めてのことですが、今となっては何やら遠い日のことのようにも思います。 「年々歳々花あい似たり、歳々年々人同じからず」と呟きながら桜を眺めていた日々のように思い返しますが、「きれいに咲いたね」と車イスの上で呟いていた母はもういません。
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春を有り難うございます。4日付けの花便りにコメントします。茅屋の猫の額の庭に咲く、辛夷(樹齢約20年)が、今年は、本当に花つきが悪く、いつの間にか咲き、散ったという状況でした。樹勢の衰えでしょうか。