自民崩壊

 自民党が崩壊を始めている。 鳩山邦夫にはじまり、与謝野馨、園田博之、藤井孝男などが離党して新党を結成するという。舛添要一だって何かとささやかれている。
 離党者には選挙に比較的強い、前回総選挙で落選したが参議院鞍替えが拒否された、年齢的に離れ座敷に追いやられたなど、様々な誘因があろうが、この半年間の民主党の学級崩壊現象と合わせてみれば、政党崩壊と云えるのではなかろうか。


 時代背景も軍の存在も、何もかもが違うことは判っているが、何やら二・二六事件前夜を思わせる不気味な予感を感じる。 土井社会党に危うさを感じ、村山社会党+橋本自民党には個人的好き嫌い感情を優先させた野合を感じたものであるが、福島社民党+亀井国民新党+鳩山・小沢民主党には数合わせの水と油かき混ぜの不快感を感じる。
 先週の国会における党首討論を見ていて感じたことは、高校生のデイベートにも劣る拙劣な議論展開だということであり、そんなレベルの討論が国会で行われていることをとても情けなく思った。 鳩山総理の日本語になっていない意味不明な答弁を論破できない谷垣総裁の未熟さを見れば、自民党の人材枯渇は極まったと云わざるを得ない。 意味不明答弁を繰り返す鳩山民主党も似たようなものだけれど。
 つくづく、「国民は己のレベル以上の政治も政治家も得られない。」と政治家某が開き直ったことを思い出すのである。テレビも新聞も政局報道に右往左往しているばかりで、普天間基地も脱ダムも空港・高速道路・新幹線を一体として考える交通網整備も原則とか優先順位といったものが何も見えてこないし、示そうともされない。
 冷戦終結後の安全保障のあり方、そもそも安全保障とは軍事だけなのか、狭い日本そんなに急いで何処へ行く時代の交通体系の整備のあり方、全国に日に数往復の便しか飛ばない空港と、一時間以上停車列車の無い新幹線駅と、がら空きの高速道路を張り巡らすことが本当に効率的なのか。 誰も考えようともしないで、我田引鉄、我田引空港、我田引ICばかりに走る様は一体何なのか。 そこにあるのは、建設国債増発と土木公共事業延命推進だけではないのかと云わざるを得ない。
 さらに高校授業料無償化に至っては朝鮮学校否認などという、およそ見当違いの愚策を弄する愚かさである。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い類の愚かさである。友愛政治のスローガンが泣いているであろう。
 高邁な理想論では現実を打破できないし解決できない。 しかし理想論を欠いた現実論、現実論にも成り得ない弥縫策列挙は、もっと愚かで混迷を深めるだけである。「生命を賭して」とか「全身全霊」などという乾坤一擲の一句は軽々しく口にするものではない。 軽く口にすれば、自らの全人格を貶めてしまう。いい加減にそれに気づいてほしいけれど、母親から毎月多額のお小遣いをもらっていた”オボッチャマ”には無い物ねだりなんだろうね。

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