くちなし

 梅雨時の花の女王は一般的には紫陽花であろうが、茫猿は梔子が好きである。今年も梅雨が始まって間もなく、ほのかな甘い香りを漂わせながらクチナシの花が咲き始めた。


 今朝のクチナシの花、緑濃い葉のなかに真っ白な花が美しい。 ただ、クチナシの花は梅雨時に咲くから、雨に打たれると直ぐに茶色く色褪せてゆく。
   
 土曜日は、母の六七日だったから忌明け法要を済ませた。これで母の死にまつわる一連の行事が全て終わる。息子達が見舞いや看護に駆けつけてくれた大型連休頃から始まった我が家の《まつり》が全て終わったということである。 一連の為さなければならない行事を終えてしまった今朝は、なにやら憑き物が落ちたような感じがする。 こうして一日、また一日と母のことを忘れてゆく、あるいは思い出さなくなってゆくのであろう。 それにしても、一年後の年忌法要までは訪れる人疎らな、閑かな前期高齢者と後期高齢者二人の暮らしが、いよいよ深まってゆく。
 日曜日、法事のために帰省した息子達を慰労して、高速道を多治見へ向かい澤千で櫃まぶしを食し、セラミックパークを観た後に轆轤回しを付き合う。茫猿の轆轤回しは途中退避。
 セラミックパークはバブルの残影でもあるが、逆にバブルの頃だからこその建造物でもある。今や上手く使ってゆく前向きの発想が求められる。 ここの水の流れる陶壁と池の中庭は心癒される空間である。
 

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