毒か薬か、面白半分

 先の記事「iPADに感激」をアップしてから、様々な批判をいただいています。 曰く「扱いようで毒になる薬のレシピを公開する馬鹿者」、曰く「危険が潜むリモートアクセスを、面白半分で扱う愚か者」、いずれもごもっともな批判であろうと思われます。 それでも馬鹿で愚かで阿呆な茫猿は、面白おかしく野次馬根性高く、新しきを試すことから次の舞台の幕は開くと考えています。


 IPADからSoft Bank・Pocket WiFi 、BIGLOBE-LogMeinを経て、MyPCにつながる道は、毒性の存在は否定しませんが、便利な優れものです。セキュリテイに注意を払っていないと、とても危険な道具でもありましょうが、それでも試して便利さや、面白さを体感してみなければならないと考えます。
 IPADからMyPCを経てVPNにつながる道に、GPS携帯やGPSカメラが加われば、あるいはNSDI-PTが一体のシステムとしてビルトインされれば、どのような世界が広がるのであろうかとワクワクします。
 確かに、情報漏洩の危険や不正アクセスの危険もあるでしょうが、実はもっと大きな見えないリスクが忍び寄ってきています。 情報の収集・加工・利用という工程がルーティンワーク化すると云うことは、とりもなおさず情報のコモディテイ化に他ならず、それは情報の開示と共有化を否応なく進めます。 その進行具合は行政情報や不動産情報の多くに既に見られているとおりです。 また情報収集・加工工程のデジタル化の進捗もまた、ひたすらにコモディテイ化を走ることに他ならないのです。
 鑑定評価並びにその周辺業務について、大量一括発注、デジタルオンライン納品、統一書式&簡略化、そして評価報酬の切り下げ、それらはまさにコモディテイ化の進行に他ならず、止めようがないことでもあります。そのような業界を取り巻く環境の変化にどのように対応してゆくか、求められている現状であると考えます。
 MyPCへのリモートアクセスを批判される方々は、業界内の情報囲い込みにばかり目を向けているのであり、Web世界の変化にはじまる情報のコモディテイ化に目を塞いでいると申し上げてよろしいでしょう。 目を塞いでいることは、気づかないことより悪であり、まして他者にも目を塞ぐよう求めるなどは、それこそ愚かな行為であろうと思います。
 つい先日も、IPADを古い友人に説明していました。IPADから様々な公開、非公開情報を見ることができると話しましたところ、十歳年長で不動産業界には何の縁もない彼は、「これからお前たち鑑定士はどうなるのだ。今まで情報を小出しにして生きてきただろうに、誰もが手に入る古くなった取引情報では飯が食えなくなるだろう?」と見透かされてしまいました。
 話は変わりますが、ふと思い出して立ち寄った旧名鉄美濃駅です。人影無く、夏草と蜘蛛の巣のみ繁り、老兵の消え去り方も難しいものだなと思わされました。
 
 

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