某日 またまた鄙里にて草深な包丁を握る機会がありました。
よくもまぁ その歳で 男手でと 感嘆とも揶揄とも取れる挨拶をいただきます。
茫猿にしてみれば、苦労でも面倒でもなく、客の数 時候 好みなどをあれやこれや考え、訪れる予定日から逆算する数日前から準備を進めるのが楽しみなのです。
口取り 箸休め メイン 〆 漬物 飲み物 などなどとメニューを考え、季節の彩りも添えて、鄙里ならではのものもと進めてゆけば、もてなしまた楽しです。
そうして用意した品々に箸がどんどん進んでゆくのを眺めているのが、また嬉しさなのです。 当然 もてなしだから楽しいのであり、万が一にも仕事にしたり、お代をいただけば そんなお気楽は許されないと云うことも 十分承知しています。 ほとんど道楽だから楽しいし、客とても無料だからこそ文句も言わずに食してくれるのだということも判っております。
・口取り:柚子釜、柚子練り、鮒鮨 (あしらいは白の山茶花)(左奥)
・水菜&菊菜:ちり鍋には、たっぷりの水菜が好ましいものです。(中奥)
・箸休め・筑前煮、白子は鍋用(右奥)
・ちり鍋:タラ、海老、蛤(地鶏も使いたいのですが客の好みで割愛)
・ちり鍋:キノコ、豆腐(中前)、右端は切り漬け
他には、絹さやとイチゴ煮の卵とじ、自家製切干大根と貝柱煮物、飛騨牛ビール煮などを用意しました。
ちり鍋は最後までスープを濁さないのが大肝心で、タラ&海老、鍋を空にして水菜、蛤を食してまた水菜、タラとキノコと菊菜、よい出汁のとれたスープに豆腐を入れて湯豆腐、〆にはうどんか煮麺という食手順を客に勧めています。 ポン酢は庭採りの柚子搾り汁、大根オロシ、煎酒を客の好みで合わせてもらいます。 茫猿好みの煎酒はこれです。 足の速いタラは魚豊さんで一本を求めて使います。食べきれない残りは西京漬けにして、後日に茫猿の口に入ります。
この日 好評だったのは、柚子練りカナッペに切り漬け(蕪、大根、白菜、刻み柚子、切り昆布、鷹の爪)でした。切り漬けは食日に合わせて三日前から漬け込んだのが、食べ頃だったようです。
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