如何にして草深包丁は生まれたか

先日の「草深包丁」参会者から、こんなメールをいただきました。
『ヨイショ割引のうえで、お読み下さい(茫猿)』

《昨日は大変なご馳走を頂き、ありがとうございました。
何を食べてもおいしく、その腕前に感心致しました。
私も仕事をリタイヤしたら、料理教室への参加から始めたいと思います。》
この受信メールへの茫猿RESです。

 リタイヤ後では遅すぎます。 一日遅れれば、それだけ味覚感覚が老化します。
・インスタントラーメンを作る時にも一工夫、
・古い漬物を美味しく食べるには、
・目玉焼きを美味しく焼くには、
・米を研ぎ過ぎない、
・包丁はいつも切れ味鋭く研いでおく、
今からでも直ぐに始められることは幾つもあります。 日々の精進こそがシェフを育てます。 ローマも一日にして成らずと申します。 妻に介護される老後をお望みでしょうが、何が起きるか判らないのが人生、妻を介護する確率もそんなに低くはないのです。

男の料理などというものを、教室に通おうなどと大上段に構えると挫折するでしょう。
先ずは、美味しく食べること、初めての味に挑戦すること、食わず嫌いを無くすこと、作った料理が喜ばれる楽しみを知ること、いわば好奇心とチャレンジ心に、企画し探求する楽しみを味わうことだと思います。
グルメになる必要はさらさら無いし、お金を遣う必要性はもっとない。 自分の得意技を一つ見付けたり、ビジネスに生きてきた男の料理だからこそ「企画・Plan」、「実行・Do」、「点検・Check」を忘れなければ、大成への道は自ずと開けると思います。
ところで、RESに書いた幾つかについてひと言。
・インスタントラーメンを作る時にも一工夫
カップ麺は使わないこと、乾麺を湯がく鍋とスープを作る鍋を別にすること(麺の湯がき汁は原則捨てるが、好みで一部使ってもよい)、スープに刻みキャベツや葱や卵やハムを入れるのは常套手段だが、冷蔵庫に残っているレタスや野菜切れ端を使うと二味は佳くなります。麺の茹で汁を捨てるのは、乾麺を作る時に使われた塩、油などの不純物を捨てるという意味があります。その分塩味が足りなくなる場合もあるからご注意。
・古い漬物を美味しく食べるには
古漬けを刻んでから焼いて卵でとじたり、塩抜きしたり、レモン汁や醸造酢を上手く使えば、別の一品になります。
・目玉焼きを美味しく焼くには
フライパンに触れるくらい近づけて、優しく卵を落とすこと。 別の容器に優しく卵を割っておき、熱くなったフライパンを濡れ布巾で少し冷ましてから卵を流し込めば、美味しくできます。 また塩と胡椒に気をつかい、岩塩を挽きかけたり粒胡椒を挽けばもっと佳くなります。 挽く岩塩挽く粒黒胡椒もスーパーに便利な小瓶が売られていますから、これらを使えば香りも風味も別のものになります。当然のことながらラーメンにも使います。
・米を研ぎ過ぎない
米は洗うのでなく研ぐこと、好みにもよるがこの時に研ぎ過ぎ洗い過ぎをせず、米糠の風味も楽しむことも知る。 時には市販されている雑穀米を足してみる。 少量の塩、雑穀米などで廉価米も見違え(舌違え)ます。
・包丁はいつも切れ味鋭く研いでおく
できれば自分の包丁と砥石を用意し(少し高いが、焼きの入った包丁)、切れ味が鈍ったと思えば研ぐことを忘れない。大根の千切りサラダを練習すれば、かつらむきなどそれなりに出来るようになります。
ついでに大根サラダは、大根の根元を使うか上部を使うかで辛味が大違いです。そしてドレッシングはワインビネガー、ごま油に先ほどの岩塩や粒胡椒で俺流のドレッシングを見付ければ、晩酌の肴は自分で作れるようになります。市販の○○ドレッシングは使わないと云う小さなこだわりもローマへの道筋なのです。
男の料理で最も重要なのは、「企画・Plan」でも「実行・Do」でもありません。「点検・Check」こそが命です。食器洗いと片付けを怠れば、奥様はあなたを二度と厨房に立たせてはくれないことでしょう。 その意味ではプロの世界と同じことで、先ずは鍋洗いや食器洗いから修行を始めることでしょうか。 私の親爺は晩年に自分の食器は自分で洗おうとしていましたが、のちほどに私が二度洗いするのが常だったことを思い出します。

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