四寒三温

 三寒四温を間違えたのではない。暦のうえでは、ぼちぼち三寒四温の時候であろうにまだまだ寒い、暖かい日が二日と続かない今日この頃である。それでも日差しは長くなったし、少し畑仕事をすれば直ぐに汗ばむようになった。 一輪二輪咲いたものの、その後は雪やら伊吹下ろしやらで蕾が固くなっていた梅も、ようように咲き始めた今日、果樹苗を買い求めて植え付けた。
 柚子2本、酢橘2本、金柑2本、それにブルーベリー2本である。 いずれも、倍近く高いけれど接ぎ木苗を求めた。 接ぎ木苗を求めたのは、五年も十年も待っている心境にはとてもなれない年にある茫猿としては、実成りを早く見たいからである。 だから三年もすれば実を付けるだろうと思っている。


 他には球根が固まって増えている水仙を掘り起こして、分けて植え直したし、藪のなかに鳥が落とした種から実生で生えている槙を、土手際に十数本植え替えて生け垣にした。水仙はともかく、槙の生け垣が成長する頃には茫猿の手で刈り込みも難しくなるかもしれないが、その時はその時である。
 また、昨春以来、切り倒したもののそのままに放ってあった切り株を掘り起こしにかかった。 切り株は畑の隅にあるのだが、母や父が手作業で耕すのであればさほどに邪魔にもならないけれど、茫猿が機械化耕耘をおこなうときには、切り株の存在はとても邪魔になるから、掘り起こしてしまうのである。
 根回りが1m近くの切り株を掘り出すのは思ったよりも肉体労働で、「地のはてから:乃南アサ」に出てくる開墾作業のつらさを追体験することとなった。ツルハシを振るいながら、二、三日かけて数本の切り株を掘り出してしまう予定である。
 切り株を取り除いて少し広くなった畑には、馬鈴薯と葱を植え付けようと考えている。 そのあとは、茄子、サヤエンドウ、トマトなどの春夏野菜を幾つか試作してみるつもりである。 春の到来とともに、我が晴耕雨読的日常はいよいよ本格的になるのである。

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