2011年役員選挙速報

 (社)日本不動産鑑定協会中部区理事選挙は無投票にて終了しました。(茫猿が知り得た内定情報であり、公式発表は未だです。) 2000号記事にて1999年以来久方ぶりの茫猿の役員選立候補をお知らせしましたが、無投票当選が内定したようです。


 また会長選挙、関東甲信越地区以外の理事選挙並びに副会長選挙も無投票決着のようです。副会長選出方法が小選挙区制に改正されてからは無投票決着が続いていること、複数定数の理事選挙区においても無投票決着どころか、今回は欠員がでる選挙区まであったということにこそ、鑑定業界の沈滞するさまが如実に表れていると憂慮するのは茫猿一人でしょうか。
 その意味から、無投票当選を素直に喜ぶ気持ちにはなりません。 立候補するからには、鑑定協会の有り様、鑑定評価の確かな将来像を巡っての論戦を行いたかったと、図らずも立候補したに過ぎない茫猿が申せば不遜の極みでしょうか。
 誰もが何も語らず無風に決着してゆく、実施が予想される会長選挙とても、将来を左右する選択を迫られるというような選挙にはなりそうにもありません。 「それでよいのか鑑定業界」と12年前の思いを蘇らせている唯今の茫猿です。
 現行公益法人から新制公益法人への移行をはじめ、創設されようとしている新しい地価インデックスと地価公示の有り様、いわゆる新スキームと称される悉皆調査(茫猿は不動産センサスと呼びたいと考えます)並びにそこから導き出すことが可能であろう地価インデックスの態様、さらには鑑定評価という情報産業における情報の管理並びに公開のあり方、鑑定評価(業)法と地価公示法を双輪として展開してきた鑑定評価の、今はまさに転回点にあるのだと考えます。
 鑑定業界はいわゆる公的評価(地価公示、地価調査、相続税路線価評価、固定資産税土地評価)を主業務とする多くの鑑定業者と、金融関連評価に特化する都市圏域一部業者とに二分され、部分的には相克を繰り返しながら地価水準動向と同様に右肩下がりの停滞を持続してゆくのでしょうか。 
 2000号を刻んだこの12年間に『鄙からの発信』に掲載した幾つかの記事を読み返していて、改めて「パラダイム転換」を呼びかけたいと考えている今の茫猿です。
    《『鄙からの発信』検索にて”パラダイム”で検索してみて下さい。》
こんな文言を再掲して、今後一年間の活動を指し示す灯明としたいと思います。

 1965年(社)日本不動産鑑定協会が設立されて以来30余年、その間若干の起伏はあったものの、基本的に”右肩上がりの地価”に支えられて、発展し組織を拡充してきた鑑定協会は今、”ポスト右肩上がりの時代”に入り、パラダイム(思考の枠組)の転換が求められているのではなかろうか。いや、我々を取り巻く社会のパラダイムはとっくの昔に転換しているのに、我々鑑定士だけが古いパラダイムにしがみついているのではなかろうか。

 インターネットはその矛盾を多くの人の目にさらし、そして解決を迫った。今後、新たなるパラダイムが構築されていくのか、それとも古い革袋を守り続けるのか。問われているのはその選択である。

【改めまして】
 浅学非才も省みず、諸兄姉のご推輓をいただき理事選挙に立候補致しましたところ、図らずも無投票にて当選の栄をいただきました。 これひとえに会員各位のご支援の賜物と篤く御礼申し上げます。 これからは鑑定業界の将来像確立を目指して、粉骨砕身微力を尽くして努力致したいと存じます。 出来うるならば微小なりといえども業界のカウンター・パートでありたいと願うものです。 各位には今後とも旧倍のご支援を賜りますようお願い申し上げまして御挨拶と致します。

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2011年役員選挙速報 への1件のフィードバック

  1. 福田勝法 のコメント:

    おめでとうございます。お父上、お母上の看病等々で、それどころではなかった、森島大兄に、もっともっと進軍ラッパを吹き鳴らしてくださいと、無責任なことを、吹いておりましたが、この度の大英断に感謝申し上げます。本当に、過去の経験にしがみつき世間の常識と乖離していることに、気づかない振りをしている、同士達を見るにつけ、忸怩たるものがあります。どうか、健康に留意され鑑定協会の変革に邁進してください。九州の地より、少しでも、鑑定協会が世の常識、流れに乗れるよう、応援申し上げます。

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