HEREAFTER

リビアのカダフィ大佐一族の国外逃亡説がiNetに流れている。チュニジア、エジプト、そしてリビア、北アフリカ諸国は総崩れの感がある。次はシリアかサウジかモロッコかアルジェリアか。中東の波瀾情勢を受けて中国株大幅安という情報も入ってきている。中国がクシャミをすれば、風邪をひくのは台湾・韓国か日本か。
Hereafterを観てきた。来世にオカルト的興味があった訳ではない。クリント・イーストウッド監督が今なにを語るかに興味があったのである。 クリント・イーストウッド監督の作品は幾つも観ている。「許されざる者」、「マジソン郡の橋」、「ミリオンダラー・ベイビー」、「硫黄島からの手紙」、そして「グラントリノ」に続いて何を語るかと興味惹かれたのである。


Heraafter(来世)はオカルトでもなく、あの世を描いたものでもない。津波にあって臨死体験をした女性ジャーナリスト、双子の兄を不意の事故で失った幼い弟、霊能者であったが死者との対話に疲れた男、パリ、ロンドン、サンフランシスコで繰り広げられる三者三様の物語が交差する時に意外な結末を迎えるのである。
生きてゆくことに疲れている三人を描きながら、観る人の死生観を改めて問い直す映画であるが、そんなに重い映画ではなく嬉しい結末にほっとする映画である。 クリント・イーストウッド監督の映画は、老境を迎えた主人公が死に場所(死に方)を探しているような趣の物語が多いのだが、HEREAFTERは人生に希望を見付けるという映画であった。そういえば主人公の年齢はクリントの子供や孫世代である。 マット・デイモンもセシル・ドゥ・フランシスも良かったが、双子の兄弟を演じたマクラレン兄弟がとても佳かった。
HEREAFTER
霊視を辞めていたデイモンが出会った女友達に強く頼まれて霊視を行った結果、彼女が幼い時に父親から受けた虐待を知ってしまうことから彼女を失ってしまう。霊視は能力だと言う兄に向かって「霊視は呪いだ」とデイモンは答えるのである。
スピルバーグが製作に参加し、クリントが音楽も担当するこの映画は、スピリチュアルものなどとは明らかに一線も二線も画す映画である。

《許されざる者 1992年・アメリカ》
3月9日(水) 午後10:00~午前0:12 BShi
かつては列車強盗などでその名をはせた伝説的なならず者、ウィリアム・マニー。静かに余生を過ごしていた彼のもとに、若い男が賞金稼ぎの話を持ちかける。生活苦からやむなく再び銃を手にしたウィリアムは町へと向かうが、鬼保安官と恐れられるビルが待ち受けていた・・・。冷酷な保安官をG・ハックマンが演じてアカデミー助演男優賞を受賞したほか、作品賞、監督賞、編集賞を受賞したイーストウッド監督、主演の傑作西部劇。

《ミリオンダラー・ベイビー 2004年・アメリカ》
3月10日(木) 午後10:00~午前0:14  BShi
不器用なあまり家族にも教え子にも去られたボクシング・ジムの名トレーナー、フランキーの元に、今の生活から抜け出すためプロを目指す女性マギーが訪ねてくる。最初は拒絶したものの、彼女の熱意に負け指導を始めたフランキー。彼の信頼を得て順調に勝ち続けたマギーは、100万ドルの賞金がかかったビック・マッチに挑むのだが…。アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞に輝いたイーストウッド監督、主演のヒューマン・ドラマの傑作。

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