2011鄙桜-3

3.11大震災以来、考え続けている。 一つは不動産鑑定士とは平和な成長期にこそ存在感を示せても、乱世・異常時にその存在意義というか、為せることを見出すのが困難だと思い知らされていること。 大震災は価値観というか人生哲学というか基本理念を問い直しているのであろう。 価値観という意味では平時・成長期を所与としてきた不動産鑑定の基本理念そのものが問い直されていると云ってもよいのであろう。 別の表現をすれば「平時における市場前置主義」が問われているといってもよいのではなかろうか。
もう一つは、四十年以上続けてきた不動産鑑定士人生に一区切りを付けた今、これからの生き方である。 あと何年の人生が残されているのか知り得る方法もないが、佳く死ぬ為に、佳く生きなければと思うのである。


3.11大震災に際して鑑定士に何ができるかという問いかけが、TwitterFaceBookで様々に行われているなかで、阪神淡路大震災を経験した兵庫県不動産鑑定士協会がいち早く活動を始めている。 士協会内に「復興鑑定支援委員会」を立ち上げたというのである。詳細はまだ明らかになっていないが、今後の大いなる活躍を期待して声援を送りたい。
不動産鑑定評価と直接的に関連しないが、被災地の復興を考える上で役立つであろう「Q&A災害時の法律実務ハンドブック」と題するサイトも、法規集出版社から立ち上げられている。
茫猿も何かのお役にたちたいと考えているが、さしあたって有効な活動が思い浮かばない。 市民としては義援金拠出、東北産品(りんご、桃、漬物、酒など)の購入、東北への見舞いを兼ねた旅などを考え実行もしているが、鑑定士としてお役に立てることがまだ見つからないのである。 先ずは、五月の連休明け以後に東北を訪れ、被災地にも伺ってみたいと考えている。 そこで生き方も考えたいと思っているところである。
今日の鄙桜は、梢まで花開き満開である。 夕陽に映える花も明日は散り染めであろう。

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