錯綜するニュース

 硬軟取り混ぜ、悲喜こもごものニュースが錯綜する朝である。
・なでしこジャパン、決勝進出の快挙
・菅総理脱原発宣言
・玄海原発再開の背後関係明らかになる
・かんぽの宿、鑑定士も含み関係者逮捕


《なでしこジャパン》
 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会は13日、準決勝を行い、日本はスウェーデンを3─1で下し、初の決勝進出を決めた。
 1-1の同点で迎えた後半15分、日本は沢穂希(さわ ほまれ)がこぼれ球をヘディングで押し込み勝ち越しに成功。同19分には川澄が自身二点目となる35メートルのロングシュートをたたき込み、そのまま2点のリードを守り切った。
 W杯、五輪を通じて国際大会初のメダルが確定した日本は17日の決勝で、フランスを3─1で破った北京五輪金メダルの米国と対戦する。 ゴルフやレスリングなどの個人競技も、サッカーやバレー、ソフトボールなどの団体競技も女子の活躍は目覚ましいものがある。アスリートには草食男子よりも肉食女子の方が相応しいのであろう。
《菅総理脱原発宣言》
 菅首相は13日の記者会見で、「原発に依存しない社会を目指すべきだ。計画的、段階的に依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現する」と述べた。
 しかし、日本のエネルギー政策を大転換する方針を示したものの、原発をどのように減らしていくのか、肝心の具体策は示さなかった。 退陣表明をした総理が国のエネルギー政策の根幹に関わることに言及するのは無責任とか無意味という批判が政界や経済界そしてマスコミに溢れている。
 根回し主義、積み上げ主義の日本では、トップダウン型の政策転換は嫌われるということであろうが、とにもかくにも一国の総理が大方針を示したのであるから、その政策の是非を朝野合わせて議論を進めてほしいものである。決して褒められない菅総理ではあるが、論議の突破口を示そうとしていることだけは評価できる。
《玄海原発再開の背景》
 海江田経済産業大臣主導の玄海原発再稼働の背景が、しだいに明らかになりつつある。 やらせメール事件、佐賀県知事と九州電力の関係、玄海町長と九州電力の関係、原子力村と経済産業省の癒着どころではない密接さなどが明らかになりつつある。
 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開を巡る「やらせメール」問題で、九電は13日、原子力部門を統括していた前副社長(6月末で退任)が国主催の佐賀県民向け説明会を周知するよう指示したことが発端となり、組織的な世論工作が行われたとする内部調査結果の概要をまとめた。
 玄海町長の親族が経営する企業は、九州電力から原発関連工事を受注していた。 知事親族と九州電力との関係や九州電力からの選挙応援、個人献金受領なども明らかにされつつある。
《かんぽの宿事件関係者逮捕》
 ジャスダックに上場していたゲームソフト販売会社「ネステージ」が、不当に高く鑑定された旧「かんぽの宿」などの不動産を資本に組み入れて水増し増資をしたとされる金融商品取引法違反事件で、大阪府警は13日、同法違反(偽計)容疑で、ネ社の元代表取締役会長ら7人を逮捕した。
 ほかに逮捕されたのは、増資の引受先となったコンサルタント会社「クロスビズ」役員、物件を鑑定した不動産鑑定士の両容疑者らである。逮捕容疑は昨年2月、ネ社の債務超過状態を解消するため、不動産を資本に算入して増資する「現物出資」という手法を悪用。いずれも宿泊施設の旧「かんぽの宿層雲峡」(北海道上川町)と旧「かんぽの宿米沢」(山形県米沢市)、年金・健康保険福祉施設整理機構が売却した旧「ホールサムインせとうち」(岡山県倉敷市)の3物件を、所有者のク社から「現物」として提供を受け、資本を12億円増やし、対価としてク社に株式を発行した、などとしている。
 3物件は平成18年12月~19年3月、旧日本郵政公社などからレジャー施設運営会社に売却された際、計約3億4千万円で取引されたが、昨年2月の現物出資では、容疑者が計約13億円の価値があると鑑定。府警は今年2月、同容疑でネ社などを捜索していた。
 かんぽの宿事件が明るみに出てからすでに一年が経過している。 鑑定協会は会長直属の危機管理対応特別委員会でこの問題の対応策を協議しているはずであるが、今日に至るまで実効性あるClient Influence Problem 対策は示されていないのである。
 鑑定協会が示した最後の事件対応策は、「かんぽの宿」の件について(報告)(2010.12.10) である。
 『この件は、7/19理事会宛に質問書提出済み。』

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