四県協議会・日本海から太平洋まで

昨日は、四日市市で開催された四県協議会に参加してきました。 福井、滋賀、三重、岐阜から参加した各士協会会長を含む、総勢32名の老若とり混ぜた鑑定士が、直面する課題について語り合いました。 開催場所は四日市市の繁華街に在る「大正館」という結構な構えの料亭でした。 三重県では時にはここで分科会も開催するとお聞きし、優雅なものだなと感じたことです。
午後15:00から18:00までの全体討議、午後18:30から21:00までの食事を摂りながらの懇談、21:00から場所を移動して24:00までの酒と歌を交えての歓談、都合延々九時間に及ぶ全てにお付き合い致しました。 予定ではその日のうちに帰宅するつもりでしたから宿泊の用意はなく、iNetで探したものF1開催と重なっているとかで宿は見つからず、T氏のご好意で桑名まで戻って宿を得て、やっと布団に潜り込んだら翌日の01:30でした。


ホストの三重県が取り上げられましたテーマは、新スキーム改善問題、地理情報活用問題、依頼者プレッシャー問題、公益法人問題、そして競争入札問題と多岐多彩でした。 茫猿には地理情報問題と新スキーム改善問題について問題提起並びに協会理事として報告を行うよう求められましたものの、与えられた時間は20分間、相当に時間オーバーしたものの、意を尽くすには至らず、さらにその後の質疑にて、集中砲火をいただきました。
四県協議会とは、日本海から琵琶湖を経て太平洋に至る、隣接しながらも所属地域会を異にする四県が一堂に会して、様々な問題について語り、かつ懇親と信頼感を深めるという主旨の集会です。 当時の正式名称は中部縦貫四県協議会だったと記憶します。 発足は二十年も前のこと、福井県三国の「蟹の若えびす」、滋賀県長浜の「鴨料理の紅あゆ」、三重県鳥羽市の「伊勢エビの鳥羽国際ホテル」などにて年毎にホスト県を替えて開催され、一回り半くらい続いたと記憶します。 その後中断されて久しかったのですが、多くの課題に直面し類似の問題をそれぞれが抱えている今こそ、再開を企画したら如何ですかと提案しましたところ、ホスト県三重県の御理解とご尽力で開催できました。
四県協会議冒頭に主催者を代表して挨拶される、三重県士協会会長川上忠臣氏、横に立つのは司会を務められた同副会長田中利彦氏です。

この四県協議会と類似する催しが同じ四県にて開催されています。鑑定士の発想が行政に先駆ける珍しい例であろうと、秘かに自負致しております。
・日本まんなか共和国4県連携事業(滋賀県)
・日本まんなか共和国文化首都事業(福井県)
・日本まんなか共和国(三重県)
さて、小生の新スキーム改善に関連するプレゼンについては、実に多様かつ真摯並びに辛辣なご批評をいただきました。 メモは取っておりませんが、記憶をたどって記してみたいと思います。

《茫猿君は、自らのサイトで「今や何を吠えても虚しいことと承知しています。」(2011年9月14日)と述べていたではないか、また(2011年9月18日)付け記事では、「既に業登録を廃止して引退を決めた鑑定士がこれ以上発言するのは、僭越というものであろうと考えている。」と記していたではないか、それを今さらに一石を投じ波風を立てようとするのか。隠者は隠者らしく控えていてほしい。》

《年内に決着しようなどというのは拙速に過ぎる。両三年程度の時間をかけて、全国士協会や地域会の合意を得つつ巧遅にことを運ぶべきであろう。》

《新スキームが問題の混迷化を招いているとすれば、原点に戻って事例収集のあり方、利活用のあり方を考えるべきである。新スキームが消滅してもやむを得ないと考える。》

《不動産鑑定評価とは何であったか、何であるべきか、何を目指すべきか、それらの原点を問い直すことから始めるべきであろう。閲覧システム構築などという技術的な問題は、その後のテーマであろう。》

《茫猿さんは鄙人を自称し、鄙の支援を受けて理事の地位にある。地方の窮状に目を塞ぐような振る舞いは許し難い。》

集中砲火であり、四面楚歌でした。 互いに、いいえ彼らはオトナですし旧知の間柄ですから、言辞は厳しくとも、口許には笑みを浮かべながらの物言いは、必要以上に茫猿を追い込むものではございませんが、心底に響くことばかりでした。 なかでも「鑑定協会執行部の走狗になっているにも拘わらず、場所を得たと思い上がっているのではないか。」という御指摘は、頂門の一針の厳しさを感じました。 今ここで、それら頂いたご指摘に答えようとは思いません。 今後も何らかの活動を続けるのか区切りをつけるのかも含めて、これからの『鄙からの発信』にてお応えしたいと考えます。
もう一点、注目すべき問題提起を記しておきたいと思います。
鑑定評価依頼に際して横行している「競争入札」問題について、こんな問題提起がございました。

 『鑑定協会執行部並びに多くの会員は、競争入札は鑑定評価依頼に馴染まないという態度に終始しているが、それは問題を見誤っている。今や競争入札は避けられないと心得るべきである。 しかし、不当な廉価入札は「不当廉売(dumping)」であり、不公正な取引方法として独占禁止法第2条第9項第3号が禁止しているものである。この方向から問題を提起し解決を目指すべきである。』というご意見です。 注目に値し真摯な検討を要するテーマであると考えます。

さて、さきほど調べてみたら、09/23以来昨日までに新スキーム関連で頂戴したe.Mail総数は75件である。そのほとんど全てにRESを発信しているのである。 些か疲れました、疲れと引き換えに何にがしかを得られたのであれば、多少は報われるというものですが、さて如何なりますことやら、来週10/11は常務理事会です。心平らかに待つことと致しましょう。
最後に、茫猿が四県協議会プレゼンで使用しました資料を開示しておきます。
【改善システムの構築イメージ・ファイルを開く】
追記  四県協の次回開催地は、懇親会の冒頭にホスト県・三重県士協会会長から、次回は福井県にお願いしたいと指名がありました。次回は越前蟹が楽しみということですが、詳細はホスト県にお任せですから、蟹もあれば、オロシ蕎麦も、若狭ふぐもあり、山海の珍味に恵まれた処だから意外性にも期待したいところです。 茫猿の好みをいえば、一乗谷や小浜も嬉しいものです。

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