士協会会長会議:2011.11.01

士協会会長会議のうち、分科会A(新スキーム改善)に陪席してきました。 茫猿はいま困惑しています。 新スキーム改善問題について全国47都道府県士協会会長の理解があまりにも隔絶していることに困惑しています。 時間をかけて整理した上で記事にすべきであろうとも考えますが、『鄙からの発信』には速報性も必要であろうし読者の関心も低くはなかろうと考えますことから、あえて速やかな報告を致します。


2011.11.01開催の士協会会長会議は三つの分科会と全体会議が設けられましたが、茫猿が陪席しましたのは分科会Aと、全体会議の内、分科会Aに関連する報告部分だけですから、他の分科会については配付資料のPDF添付のみとします。 会議に際しては実に多くの資料が配布されましたが、本来であれば、これら資料は速やかに会員に配布されるべきものと考えますが、過去の例からしても公開されることはないことから今回も開示配布されることはなかろうと予想します。 この件は理事会資料にしてからが会員には配布されませんことから、速やかな改善が求められます。
【会議配布資料の内、分科会A配布資料を開く】
余談になりますが、資料配付に関して、鑑定協会はRea Net という伝達配布手段を有していますが、このネットワークが生かされていないと云うのが実態です。 この件に関して、改めて確認しましたら、鑑定協会は平成20年5月20日施行の「REA-NETの運用に関する基本指針」を定めていますが、この指針自体が誤っているといわざるを得ません。
指針はその3条(目的)で以下のように定めています。

第3条 REA-NETは、新スキーム情報及びこれから派生して生じる情報(取扱基準第2条に定義された一次データ、二次データ、三次データ、四次データ、五次データ)等、会員が利用する多様な情報の全般について、会員間の共同利用の枠組みを堅持するため、本会及び士協会の会員の認証情報を一元管理するとともに、本会、士協会等(士協会及び士協会が構成する地域連合会をいう。以下同じ)及び会員の情報安全管理措置の基盤を構築し、会員の鑑定評価等業務及び地価公示・地価調査に係る鑑定評価業務等における情報の十全な安全活用に資することを目的とする。

Rea Net が新スキーム情報等の共同利用のために存在するかのような記述は誤っていると考えます。 この件に関しては稿を改めて論じたいと考えますが、とりあえずは、この過去記事を参照して下さい。
さて、本題の士協会会長会議における新スキーム改善問題に関わる質疑内容ですが、結論から云えば、理解を得るところまではとても至りませんでした。士協会と鑑定協会の亀裂の大きさを見せつけるだけに終始したように見受けました。 改善問題の本質について討議されることは少なく、改善が士協会の資料管理現状へ如何なる影響を与えるかに終始したと受けとめました。
一つ、多額の経費を要する新システム構築の必要性は何処にあるのか疑問である。現在のRea Net:Rea Jirei で十分ではないのか? なぜに新たなシステムを構築するのか?
(執行部回答)安全性担保にとって、必要である。
一つ、士協会外部会員の閲覧は現況を維持して士協会事務局閲覧に限定すべきである。
(執行部回答)士協会事務局等閲覧を予定しており、その実施は各士協会の選択に委ねています。
一つ、資料閲覧料は士協会財政にとって重要な収入である。この改変は認められない。
(執行部回答)現行の閲覧料体系を変更する意図はない。意図はないが閲覧料積算は実費主義に拠られたい。
一つ、多くの会員の理解を得られないままに、スケジュールありきの改善は容認できない。
(執行部回答)一次改善案は大枠を示すものであり、本日の会議結果並びにさらなる審議を経て理事会に上程したい。
一つ、報告一次案について出席士協会会長の賛否を採られたい。
(執行部回答)士協会会長会議は採決の場ではない。
一つ、改めて全国士協会にアンケートを取られたい。
(執行部回答)持ち帰って検討します。
一つ、2011.06.20に報告された資料では、「パートナーシップ型への漸次移行」、「一般鑑定で使用」が記述されていたが、提示された一次改善案には記述されていない。
(執行部回答)新スキームが内包している脆弱性に鑑みたときに、先ずは鑑定協会の自主的改善措置を実施したい。安全管理の徹底と透明性の確保を自主的に実現したいと考えるものです。
一つ、公示事例を一般鑑定利用するについて所管庁の理解は得られているように理解するが、地価調査事例について一元管理することは所管庁の理解は得られているのか。
(執行部回答)新スキーム由来事例について一元管理を目指すものです。
以上他の質疑を経て、分科会並びに全体会議は時間切れとなり、改善委員会でさらなる検討を行うという議長提案にて議事は終了しました。

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