特急あさぎり

 02/10 開催の新スキーム特別委員会は真剣な議論が交わされ若干の曲折を経ましたが、企画小委員会提案の、事業報告案並びにH24事業計画案、予算案、第一次改善案などはいずれも原案どおり承認されました。 ついで三月から六月にかけて、常務理事会、理事会、総会などの機関承認手続きが残されることとなります。 この件に関わる詳細は次号記事と致します。
 本記事は翌日に乗車した御殿場線特急「あさぎり」についてです。この「あさぎり」はJRに数少ない私鉄線とJRを経由する特急です。 しかも三月のダイヤ改正では運行路線が短縮される予定といういわくつきなのです。

「特急あさぎり」
 特急「あさぎり」は、1959年7月に特別準急「朝霧」として運転を開始し、その後、御殿場線電化などにより、特急「あさぎり」として小田急新宿駅からJR沼津駅間を運行している特急である。2012年3月17日のダイヤ改正により、運転区間が新宿駅 – 御殿場駅間に変更されるとともに、全列車が小田急60000形で運行される予定である。
 小田急線からJR線への乗り入れは、小田急線新松田駅~JR御殿場線松田駅間に交差連絡線を設けてある。 10:20に小田急新宿駅を発車した列車は、小田急線本厚木駅を出ると交差連絡線を経由して、次はJR松田駅に停車し、12:18にJR沼津駅に到着する。

 新宿を出る時に東京上空は快晴だったから、雪を頂いた富士山を仰げることだろうと、案内してくれた同行者共々期待していたのです。 とはいっても山の天気は変わりやすいもの、易々と期待が叶えば、世間は気楽なものよと、内心秘かに戒めてもいました。
 案の定というか秘かな懸念が的中して、御殿場線に乗り入れるあたりから空は雲が多くなり、富士は裾野が見えるだけでした。 それでも、車窓に富士の裾野と箱根外輪山を眺めながら、久しぶりに列車旅を共にする長男と四方山話をしながらの二時間の車中でした。
 三月にはダイアが改正され、小田急線にJR特急車両が走ることは無くなりますから、途中々々の鉄橋などの撮影ポイントでは、多くの撮り鉄マニアがカメラを構えて待っていました。 しばらくの土曜日曜はカメラが並ぶことでしょう。 口の悪い人たちのあいだでは、廃止が予定されると集まってくる撮り鉄さんたちを「ソウテツ(葬鉄)」とか「ツヤテツ(通夜鉄)」などと陰口するそうですが、この日の茫猿もその一種なのでしょう。 でも茫猿は乗車券特急券代金を支払っていますから、香典は用意しているという言い訳は出来ましょうか。
 乗車した最後尾七号車から後方を眺めます。
 
 沼津駅に到着した「あさぎり」、廃車予定の車輌もさることながら、沼津駅御殿場線フォームの上屋に注目したいです。 都市駅には珍しくなった木造トラスがレトロ感を漂わせます。
 
 小田急電鉄社名入りの特急券です。
 
 さて沼津駅についた茫猿親子は昼食を摂るために、沼津港寿司屋街に向かいました。多く立ち並ぶ寿司屋のなかから、構えの設え(しつらえ)を頼りに一軒の暖簾をくぐりました。尋ねれば創業四十年の老舗ということでした。 地物握りと肌燗の銚子をたのんで待つことしばし、(沼津といえば)アジ、メジマグロ、豆イカ(名前は忘れた)、カワハギなどが付け台に並びました。 追加も含めて十貫の握りにアサリの味噌汁、代金もリーズナブルでしたが、難を言えば鮨飯が冷たいのが不満です。 握り鮨飯は人肌程度の温もりが好きです、ましてや今は寒の内、冷や飯はいただけません。
 食後は干物市場にて、定番・鯵の干物、キンキの干物、そして希少なメヒカリを買い求めて沼津港から三島駅行きのバスに乗りました。 三島駅では東へ向かう長男と別れ、これも定番駅弁「港あじ鮨」に缶ビールをぶら下げて「こだま15号車(喫煙可)」の客です。 立ち帰った鄙里で夕食に焙ったメヒカリはとても美味しかったです。 半生しかも開き干しのメヒカリは臭みなどなくて、ほのかに甘く上品な味で酒の肴に相性抜群です。
 新スキーム問題も一山は越したことだし、私的なとある事情も明るくなったことだしということで、メヒカリ焙りを肴にして珍しく酒を過ごした昨夜の茫猿でした。
《閑話休題》
 沼津港食堂街は土曜日の昼下がりということもあって、結構な混雑でした。道路は渋滞し、幾つかの店頭には空席を待つ客の列ができていました。 車のナンバーを確かめますと地元や東京ナンバーの他にも、千葉、松本、埼玉ナンバーなども見られ、東京都市圏の懐深さを垣間見た感じでした。

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