見逃されてきた真実

新スキーム改善問題について『鄙からの発信』は、先頃「新スキーム改善問題Q&A  2012年3月19日 」と題する記事を掲載し、ついで「再び新スキームQ&A 2012年3月29日 」と題する記事を掲載しました。 この両記事では手許のデータ不足から詳細について記述していない事項がありますが、このたび04/10理事会議案が送付されてきたなかに、それに関連する資料が添付されています。

この資料「 士協会閲覧体制一覧表24.4」には、この一年間語られてこなかった、というよりも見逃されてきた重要な事項が示されています。

配布されてきた資料には、新スキーム改善案の第一目標である「安全性担保」について、その現況を示しています。 詳しくは、この「 士協会閲覧体制一覧表24.4」(PDF)を見て頂きたいのですが、既に安全性を担保し、細目を除けば一次改善案が示している到達目標に達している多くの士協会が存在しているという事実です。
「 士協会閲覧体制一覧表24.4」(PDF) 120404etulanjyoukyou

(A)REA-NETで、事例を閲覧に供している士協会の数 : 21士協会
(B)REA-NETで、事例を閲覧している士協会会員数 :  4,444名

現在のREA-NETではLog管理が徹底されていないことや、Jarea認証が業者宛に発行されしかもその更新期間が短いことや、一部士協会では「いわゆる三次データ」が閲覧に供されていないなど、細目では改善されなければならない事項が幾つかありますが、基本的には安全管理が担保されているといえる状況にあります。 しかも士協会数にして約半数、会員数にすれば70%強がその安全閲覧体制下にあるという事実が、あまり語られてきませんでした。

資料閲覧体制改善に際して、拙速は排されなければならないでしょうが、巧遅に偏することも避けなければならないと考えます。  その観点からは、2012年度はREA-NETによる閲覧体制の全国普及が最優先課題であろうと考えるのです。 閲覧料積算を含むLog管理を強化したREA-NETを改善初年度の目標に設定し、その全国普及を達成したのちに「閲覧料並びに閲覧機会の透明性確保」の実現に向かうべきと考えるのです。 並行して現行の閲覧管理規程における努力目標等規定を遵守規定に改訂されるべきと考えます。 なお、REA-NETの維持管理体制に疑問が呈されることも少なくないのですが、これこそは事務管理的処理により改善は可能であろうと考えます。

REA-NETの普及を妨げているものは、本来、鑑定士協会連合会のネットワーク(安全なイントラネット)であるべきものを、費用負担や事例管理に伴う誤解から「士協会ネットワーク」と位置付けてしまったことにあります。 REA-NETのうち、基本的維持費並びにRea-info及びRea-dataに関わる経費は鑑定協会が負担すべきものであり、Rea-jireiに関わる項目は士協会が負担すべきものです。
さらにそれら維持管理経費の全額は新スキーム維持経費を合わせて「資料閲覧料収入」から支弁されるべきものです。 このことは「間違いだらけのREA-NET 2008年8月19日 」に既に述べてきたことです。

ここに森島(鑑定協会理事&新スキーム改善委員)は、
『一、鑑定士協会連合会はREA-NET(REA-JIREI)の全国普及に全力をそそぐべきである。』
『二、その達成をみて資料閲覧の透明性確保に向けて努力すべきである。』  と提言します。
現時点で去就を明らかにしていない士協会も、一次改善案に反対する士協会も、既に会員数にして七割強の会員が実施している閲覧体制を採用することに、大きな反対も疑念もなかろうと考えるのです。 この問題に関心を共有する多くの方々に、今一度の検討を願うものです。

 

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見逃されてきた真実 への1件のフィードバック

  1. 匿名希望 のコメント:

    Rea-net認識には、大きな誤解が存在すると思います。
    一方は、オンラインネットワークによる全国的事例閲覧システムの入り口であると認識し、
    片方は、士協会内でのオンラインシステムであり、全国展開は有り得ないと認識します。
    この誤解の差は埋めることの出来ない溝であり、曖昧なRea-net推進は、
    解き得ない大きな課題を先送りしてしまうと考えます。

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