風評と風化

風評と風化とは、2011.03.11震災にかかわる風評被害と震災記憶の風化についてである。

もうすぐ未曾有の津波被害と原発事故から三年目の三月十一日がやってくる。
東北大震災を思う時には阪神淡路大震災のことも思い出す。 親元を離れて一人暮らしを始める息子の荷物を運んで神戸の町に入ったのは、渋滞を避けるためにまだ日の出前の闇の中でした。 車外の様子はよく判りませんでしたが、車内に漂う異様な臭いは震災の雰囲気を十分に感じさせるものでした。 《七年の長さと短さ

2011.04.27 震災後一ヶ月半を経た岩手県釜石市及び大槌町の町へ、遠野から峠を越えて入った時も似たような震災のニオイを感じたことを思い出します。 《被災地の桜
神戸とその周辺都市は近畿圏の中核をなす大都会ですから、復興のスピードは眼に見えるものがありました。 もちろん、新築建物や震災復興区画整理の陰には、様々な問題が積み残されていたのですが、見かけの復興は進みました。 しかし、三陸の復興は遅々として進まないようですし、福島避難地域では何も変わらないままに三年が過ぎたようです。

私にしても、あれから三年が過ぎて、原発再稼働関連の報道や岩手・宮城の今を報せる報道に接すれば思い出しますが、常日ごろは日々の暮らしに追われて被災地を思い起こすことも少なくなりました。 スーパーで買い物をする時に、三陸や福島の産品があれば買い求めるようにはしていますが、現役を退き、つつましい生活を暮らす身としては、それ以上になにかを続けることもなくなりました。 気仙沼のはま家さんのことも、この記事を記しながら久しぶりに思い出しているようなことです。

福島とその周辺では、今も原発事故に伴う風評被害に悩まされていると報道されています。 同時に都会では震災の記憶が少しずつ風化しているとも聞きます。 津波も原発事故も忘れてはいけない、折にふれては思い出し、あの時に感じたこと考えたことを蘇らせ、今なにができるのか、何を為すべきかを考えなければいけないと、改めて思います。 風評に惑わされてはいけないし、ましてや風評を助長するようなことをしてはいけないと考えます。

津波で寸断された三陸鉄道も、この四月には北リアス線南リアス線全線が運行再開されると伝えられます。 今年は適当な時季に気仙沼はま家さんと南北リアス線そして大槌町を訪ねる旅を、是非ともしたいと考えています。 《たとえ、物見遊山の旅であっても、訪れることがなにがしかは復興のお役に立てる  という言い訳を用意して。》

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