皐月朔日

気づけば皐月朔日(五月一日)である。今年も既に三分の一が過ぎたと云うことだ。 現役の頃であれば、今年など04/26(土)から05/06(火)まで十一連休にしていたことであろう。 茫猿が長い休みを望んだということではない。 薄給の事務所であるからせめて休みくらいはたっぷりとと小賢しく考えただけのことである。 それに休日合間の日に電話番に出ていれば、訪れる客も電話も少なくてなにかとはかどったという背景もある。 連休の谷間にはよくプログラミングなどに耽っていたものである。 そんな連休も、そういえば世間ではGWなのだと気づくような、近頃の茫猿の暮らしである。

雨上がりの畑を見まわってきた。 まだぬかるんでいるから畑仕事はできないが、初夏の初物を見つけた。 昨年から次男に見習って始めたイチゴ栽培であるが、昨年はほとんど実りがなかったが、今年は少しは期待できそうである。 その初物が収穫できた。 絹さやも初物である。味噌汁の実にできるくらいの量ではあるが、それでも嬉しい初物である。 アスパラはぼちぼち峠を過ぎる気配であるし、ホウレン草は食べ頃、レタス、パセリ、ダイコン、新玉葱も食卓をにぎわせている。140501ichigo

畑で紅くなったイチゴを見ると、連休に遊びに来る孫たちに食べさせようと丹精していた母のことを思い出します。 思い起こせば、母が最後に手がけていた作物は絹さやだった。 収穫して味噌汁の実やオヒタシにして病床の食膳に出しが、もう箸をつけることはなかったと思い出す。

ところで、袴田事件のことを記事にしようと原稿を書きためてきたけれど、掲載は止めにする。  とても重い事件であるし迂闊なことは書けないと思えば、原稿は没にするに如かずということである。 《東海地方には50年も獄中にいる名張毒ぶどう酒事件:再審請求中もある。》
しかしそれでも心に留めておきたいことがある。 それは冤罪事件というものは、悪しき条件が重なれば誰もが遭遇する可能性があるということである。 殺人事件に巻き込まれる確率はとても低いであろうが、電車内痴漢事件などに巻き込まれる確率はそれほど低くないと思われるのである。
そこで大切なことは、無罪の推定原則であり利益原則の確立である。すなわち、「疑わしきは罰せず」であり「疑わしきは被告人の利益に」である。 マスコミ報道の姿勢を云々する前に、我々自身が「推定無罪」の意味や意義を心得ていることが、回り回って我々自身の利益となるであろうと考えるのである。

 

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