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初冬二題

 師走も早や半ば、残す2009年の日々は少なくなったが、十年も前に較べれば長閑な歳の暮れである。 暖冬もそれに輪をかけている。 伊吹颪に身を縮込めることも少ない。 心なしか水仙や寒椿などの開花も早くなっているようである。 今朝の初冬二題は水仙と八重白椿である。


 朝の陽射しに濃い影を作って咲いているのが妙と見たのであるけれど。

 椿の白さが正面からの陽射しを受けて、その陰影を薄めている。

 弱日ざし  集めて揺れる  白つばき  (茫猿)
 枯れ草や  茶に染めて  散りぬ花  (茫猿)
 母の耳  聞き返せども  答えなし  (茫猿)  
 葉書きて  逝きひとの笑顔  偲びいる  (茫猿)
 風切りて  光ます星あり  冬来たる  (茫猿)
 
 

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