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法師ゼミ

 夕暮れどき、庭先で見かけた光景を切り撮っただけで、特に他意はございません。
夏の終わりと秋の訪れを告げる法師蝉が、蜘蛛の巣に絡めとられていました。
元気なときなら蜘蛛の巣など歯牙にもかけないのでしょうが、
旬日を鳴き疲れたあとでは、抗し得べくもなく、哀れ蜘蛛の餌となる。


   
 とはいえ、地に墜つれば蟻の餌と為る身なれば、
中空に逆さ吊りとなるも、また、生きるもののならいなのでしょう。
法師蝉や哀れなどと、つまらぬ感傷を覚えるのは、ひとの驕りなのかもしれません。
そういえば、これも spider’s web です。
  鳴き逝きて  網目を飾る  身ぞ哀し  《茫猿》
   
 グリーンカーテンを目ざして作った日除けで、苦瓜がようやくに晩夏の花を咲かせています。

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