歯舞諸島読めない事件《島尻安伊子北方領土担当相》、放送法過剰反応発言《高市早苗総務相》、残留放射能1ミリシーベルト除染目標根拠無し発言《丸川珠代環境相》と相次いで安倍内閣女性閣僚の失言が続いている。しかもいずれの失言も大臣としての所掌分野に関わるものであり、失言とか勘違いでは済まされない発言ばかりである。与野党勢力が拮抗していれば辞任もやむなしとされる失言ばかりである。
考えてみるに、お三方ともに日頃から勇ましい発言が多い方である。オリンピアの昔から戦《いくさ》を好むのは男性であり、女性なかでも母親は戦いを忌避するものと相場が決まっているのに、男性顔負けの勇ましい方々である。
選挙戦を戦い抜き、功名争いに勝ち残って大臣の椅子を得るためには、母性などと云うものは顧みる余裕も無いのかもしれない。なによりも安倍総理好みの発言を繰り返すことが抜擢の最大理由であろうし、加速する安倍総理への忠誠心顕示競争を露呈するものであろう。安倍内閣の右振れ加速がもたらしたお粗末さを示すものでもあろう。
それにしても自民党男性議員のお粗末さというよりも下衆《ゲス》さ加減は、目を覆うばかりである。パンツ泥疑惑事件《高木毅復興相》、新婚妻の妊娠時不倫ゲス事件《宮崎謙介議員》については論評すらおぞましい。 UR口利き疑惑事件の甘利明前経済再生担当相については政治とカネに絡む根深い問題をさらけ出している。そういえば高木氏も甘利氏も世襲議員である。
年明け以来、円高と株安が続いている。大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を三本の矢とするアベノミクスが破綻の崖っぷちに至っていると云えよう。金融緩和頼りの円安誘導は日本の安売りを本質とする政策であり、日銀による国債多額買い入れも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による株式運用拡大も非常時ならいざしらず、平時の政策としては禁じ手である。
それらの禁じ手を多用して、民間投資拡大に結びつけようと云う政策そのものが時代遅れの政策なのである。高度成長期が終わり安定成長期に入ったと云われて既に三十年近くが経過しているのである。設備投資は更新が主流であり、生産量拡大策は時代遅れなのである。公共投資にしても新規建設よりもメンテナンスや更新が主流となっているのである。 量的拡大を目指す経済政策は過去のものであり、今や質的転換を目指す時代なのである。
中国の高度成長をうらやむ日本ではないのであり、質的転換を目指し文化的深度を目指してゆく時代に日本はあると考える。今こそ憲法前文に詠う国際社会における名誉ある地位を本格的に目指す時代に到来していると考える。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。《憲法前文より抜粋》
北朝鮮による水爆?実験も弾道ミサイル発射試験も許されない行為である。しかし目には目的な過剰反応は戒めるべきである。突出した過剰反応は勇ましく見えるものであり、一部勢力からは決断力を讃えられるかもしれない。しかしそれは匹夫の勇なのであり、成熟したおとなの取るべき態度とは思えない。北朝鮮の幼児性が明らかに見えるだけに余計に子供のけんかに墜ちてはならないと思うのである。
安倍内閣の経済政策破綻を見るにつけ、お粗末閣僚続出を見るにつけ、改めて日本国民の民度が問われていると考えるのである。勇ましく突き進むのではなく、立ち止まって考え直す勇気が求められていると考えるのである。
日本の安売りにしか過ぎなかった「超金融緩和政策」の行き着く果てがマイナス金利であろうと考えている。預金金利が直ちにマイナスになろうとは考えないが、休日払い出し手数料や預金管理費が大幅に増額されるであろうことは自明であろう。ここでも安倍内閣は弱者虐待なのに、庶民は一向に気づこうとしない。
年初来の株式下落に触発されてか、アベノミクス指南役の竹中平蔵氏の『トリクルダウンは起きない』発言、浜田宏一教授の『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式投資はハイリスクハイリターン』発言などの後講釈が始まっている。 アリバイ工作ともいえる彼らの後講釈は論外として、三年前に彼らの発言に潜む陥穽を指摘しようとしなかったマスコミの手落ちも見逃してはならない。《このコメントは、2016.01.19 FB投函である。》
雑木林のなかにピンクの藪椿が咲いている。この椿は植えた記憶が無い、野鳥が運んだ実生椿であろう。この種の実生を見つけるたびに雑木林も佳いものだと見直している。
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