東京に住まいする長男夫婦が、秋田・乳頭温泉に旅した折、立ち寄った角館から銘菓唐土(もろこし)を送ってくれた。 長男の妻が送り主である菓子を、父母の遺影に供えた。
水仙が薫る部屋でふたり「上品な菓子やネー 優しい口当たりだネー」などと会話しながら大切に食べていてくれるだろうか?
日頃は閉め切って日の射さない冷んやりとした座敷にいるふたりに、今日はガラス戸を開けて春近しを思わせる風を感じてもらおう。
銘菓唐土。
畑の梅が咲き始めた。背景に見えるのは伊吹山。
【述懐】
バレンタインには義理チョコ二個、それも随分と早い事前渡し。一昔 二昔前に、宅配便有り、ポケット一杯有り、事務所お届け有りだった頃が懐かしい。
明日は茫猿の誕生日なのに、何の予約もお誘いもお届けもない。これも今は昔、今や冥土への一里塚となってしまえば、やむを得ない仕儀か。 何よりも懐旧談にひたるようになってしまえば、それ迄よと云うことであろう。 此の処の 業界の ていたらくに 好々爺にもなれない悔しさ歯痒さを何で晴らせばよいと云うのであろうか。 嗚呼 茫猿よ 何処へ往こう。