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勇気ある試み

公益社団法人大阪府不動産鑑定士協会・震災対応特別委員会では、「不動産に係る原子力損害額の評価(震災対応特別委員会中間報告)」を刊行されました。 とても意欲ある試みと思われますことから、報告書の目次の一部、並びに報告書の抜粋について関係者のご理解を頂きましたので御紹介します。 報告書は大阪士協会にてお求め下さい。   《本稿末尾に執筆者からのコメントを頂いております。併せてお読み下さい。》

「放射能汚染による不動産価値損失測定の可能性を考える」
1.放射能汚染と不動産価値変化を結びつけるもの
《なにをみるのか なぜ見たいのか》
2.市場分析の方法検討
《なにが使えるのか なにを確認しなければいけないのか》
2-1. 分析の枠組み
《ヘドニック法(Hedonic Approach)、CVM (Contingent Valuation Method:仮想市場評価法》 2-2.分析の対象
《公的評価データ、取引事例データ、放射能汚染データ》
2-3. 分析ツール
《Excel、統計言語R》
3. 市場分析に向けて
《なにに注意すべきか どのように扱えば良いのか》

《茫猿独白》
この種の試みは とても勇気ある試みだと考える。
・試みは、原発稼働再開に向けた様々な動きに水を差しかねない。
・大阪府士協会の活動が福島県士協会 他に及ぼす影響も斟酌しなければならないだろう。
・放射能汚染に伴う影響評価について試算を行おうとすれば、広汎なデータが必要であろうが、
・悉皆調査Dataを利用しようとすれば、様々な横槍が予想されるであろう。
・そもそも、悉皆調査Dataの利用を、管理者は容易には認めないであろう。
・得られた試算結果についても、肯定的否定的 様々な評価がよせられるであろう。

それでも、誰かが試みなければならないことであろうと考えるし、批判を畏れない試みこそが鑑定評価を前進させてゆく大きな力になるのであろうと考えるのである。 だから、得られた結果について軽々に論じるのではなく、勇気ある試みに取り組まれた大阪府士協会の諸氏に敬意を表すのである。

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