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うだつの町で蕎麦(1)

しばらく前に畏友A.T氏から、美濃へ行ったら、此処を訪ねてみてと紹介されていた蕎麦屋があります。 とはいうものの、美濃市は高速道で通り過ぎたり、折悪しく時分時ではなかったりと、なかなか訪れる機会が有りませんでしたが、今日は美濃ICで途中下車して、その蕎麦屋を訪ねました。


彼の教えてくれた所在地を頼りに店を目指しますと、探す間もなく店は見つかったのですが、店構えに見覚えがあります。 以前にこのサイトで紹介した桃李なのです。 もちろん、屋号は違っていますが、店のなかの設え(シツラエ)も概ね当時のままです。 応対に出た女将に伺えば、「桃李さんが小牧へ移転されてから、しばらく空き家になっていたのを昨秋からお借りして営業しています。」とのことです。
古い商家をゆったりと使っているのも以前のまま、頂いた蕎麦も蕎麦つゆも天麩羅も文句なし。 三十半ばくらいと思しき若夫婦でご商売をされている様子ですが、キビキビと立ち働く美人女将、黙々と蕎麦を茹でるご主人、次からは美濃を素通りすることなく、時分が外れていようといまいと立ち寄りたい「そば切り・まる伍」です。 あなたを撮してサイトに掲載したいのですがと頼みますと、快くカメラ目線を頂きました。

詳しくは伺わなかったのですが、多分、若女将の設えだろう、床の間の花です。

「そば切り・まる伍」の外観です。 隣家との境に高く上がっているのが卯達(ウダツ)です。うだつは類焼を防ぐ防火壁ですが、それを高く強固に美々しく築き揚げることを「ウダツを上げる」と言います。 つまり、ウダツを築き上げるような一家を構えることができたということです。
構えが構えですから、入りにくく感じるかもしれませんが、少しの勇気を出して暖簾をくぐれば、気さくで明るい女将の笑顔が待っています。 お値段も茹で蕎麦食堂よりはちょっと高いだけで、丁寧な仕事をした手打ち蕎麦なら当たり前のお値段ですから、驚くほどのことはありません。 うだつの町・美濃町再興の一翼を担っているこのお店の末永い隆盛を願います。

【そば切り・まる伍】の案内ファイルを開く  拡大して保存し、案内地図もついていますから、印刷してご持参下さい。 まる伍のサイト

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