つくづくと便利な世の中になったものだと思わされる。孫娘のことである。祖父母は鄙里に住い、孫娘親子は東京に住んでいる。年に何度か孫たちは帰省して成長した姿を見せてくれるが、日々の生活の様を見ることはかなわない。
ところが、iCloudは日々の孫たちの姿を見せてくれるのである。息子や嫁が孫たちの姿をiPhoneで撮影しiCloudにアップしてくれる。新しい写真や動画がアップされると即座に私のiPhoneやMacMini、家人のMacBookAirにメッセージが届くのである。
iCloudを開けば今日のあるいは昨日の孫たちの姿が躍動している。今年六月に誕生した次娘の日々表情が豊かになってゆく姿も、妹の誕生を控えて幼稚園の入園を半年遅らせた姉が嬉々として通園する姿や、入園して間もない頃に催された運動会に頑張っている姿を目の当たりに見せてくれる。
三歳半と乳飲み児を都会で独り育てるのは大変だろうと思われる。イクメンを期待されている息子は帰宅時間が遅くて役に立たず、土曜日曜には昼過ぎまで寝ているか、娘と出かければ甘やかせてばかりと嘆かれてもいるようだ。
でも、私はiCloudのコメントを通じて嫁に云うのである。「毎日が大変でしょうが、今を楽しんで下さい。後になって判る、今しかないのだから。」、「背中より大きい荷物を背負う、こんな彼女の姿は今だけなのです。来年はもう大きくなっていて見られない。」
子供の成長は速い。その時その場では遅く見えてイライラもするけれど、しばらくしてみれば、とても速いのである。あの時のあの姿は、もう何処にも見られない。その後に及んで、あの時にもっと楽しんでおけばと思ってももう遅いのである。
自らを振り返ってみても、四十年も前のことだから記憶が薄れているだけではなく、息子たちと楽しく過ごした日々がとても少なく思えるのである。休日も仕事や業務関連の催し事に出かけていたし、平日の帰宅時間は夜遅かった。子供たちと遊んだことが無かったわけではないが、日々の様々な出来事の記憶が乏しいのである。
仕事にも子育てにも余裕の無い若い頃はそんなものだといえばそれまでのことだが、だからこそ息子にも息子の妻にも今を楽しんでほしいと願うのである。当人たちは楽しむ余裕などないと云うのであろうが、それでも再び返ることの無い今を楽しんでほしいと願うのである。それにしても、iCloudをファミリーで共有し、遠く離れた祖父母と孫たちが日常を共有できるのは、とても素晴らしいことである。
関連の記事
- 小正月なのだ : 2015年1月8日
- 枇杷の花 : 2010年12月17日
- 梅一輪、それでいいのだ : 2015年1月23日
- これから・こだから : 2007年7月31日
- 今日の一番、二番桜 : 2020年3月6日
- 今冬も源平干し : 2019年1月11日
- そうか、もういないのか : 2010年12月6日
- E-Forum:鑑定士(交野T氏、おのだ氏、菊池氏) : 2005年10月29日
- iCloudでSlide Show : 2018年6月22日
- 騰がる地価は久しからず : 2006年4月1日