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南ぬ島石垣

先月の下旬、沖縄、八重山の旅を過ごしてきた。 転職先が定まった息子から束の間の休暇を南の島で孫と過ごさないかと誘われたのである。 ベビーシッター&ドライバー役に誘われたことは承知していたが、孫と過ごせる楽しみに気がはやるパートナーに背中を押されて旅だったというわけである。

細かい旅ばなしはなし。 備忘を兼ねた写真日記である。

11.22夕刻に常滑を発った茫猿たちと羽田を発った孫たちが那覇で合流して向かった先は、那覇牧志市場近くの島唄酒場「鳩間島」である。 四度目か五度目の訪問である鳩間島だが、相変わらず琉球にどっぷりとひたらせてくれる優れものだった。

翌日はちゅら海水族館、今帰仁グスク、嘉手納基地展望台(道の駅かでな)を巡り、三日目は南ぬ島(ぱいぬしま)石垣島に渡る。石垣で滞在した宿は舟蔵海岸に面した海風の吹き渡る宿だった。 椰子の先には竹富島が眺められる。

雨のち曇りと、天候には恵まれなかったが二十度前後の気温と海風は心地良く、石垣新空港開港後の喧噪も一段落した石垣は長閑なものであった。 一夜は石垣牛石垣豚を堪能し、一夜は南の貝刺身盛り合わせを楽しみ、一夜は地魚握りを楽しんだのである。 那覇で食したのを合わせれば沖縄そば、そーきそば、八重山そばは全七食か八食である。これも堪能した。
雨上がりの川平湾はやや透明度が低かったものの、グラスボートから珊瑚も南の魚も楽しめた。

ところで、沖縄そば《島そば》、ソーキそば、八重山そばの三種類のそばはどう違うのかと云えば、当然のことながらよく似ているのである。 共通点から云えば、麺は太めの中華麺であり、八重山そばはやや細麺である。 なお、沖縄で「ソバ」といえば、中華麺をいい、蕎麦はニホンソバまたはヤマトソバである。 あきらかに観光客と見えたからだろうが、「ソバ」と注文したら「島ソバ」ですかと聞き返されたこともあった。 スープは清汁で、豚骨煮出し汁と鰹またはイリコ出汁の併せスープあり、濃厚というよりはさっぱり系であり、鰹やイリコの香りが高い。 具材は島ソバが煮付けた三枚肉と葱とカマボコ《板付きの蒸し蒲鉾ではなく、ハンペン系である。》それに紅ショウガである。 ソーキそばは三枚肉の代わりにソーキ《あばら肉の煮付け》が載り、八重山ソバでは三枚肉もカモボコも細切りにされている。 香辛料はいずれもコショウを使わず、コーレーグース《島唐辛子を泡盛に漬けたもの》を使う、八重山ソバではビバーツという香辛料も使う。

滞在ホテルの窓から眺められる竹富島では牛車で島を巡り、白い珊瑚の浜では孫が足を海に浸してとまどうさまを楽しんだのである。

鉄道駅の範疇からは外れるかもしれないが、一応は日本最西端の駅でもある。 ちなみに次の赤嶺駅は日本最南端の駅である。

七日間の旅で最も楽しませてくれたのは、やはり孫だった。 孫自身になんの記憶も残らないだろうが、物怖じせずに島唄の舞台に昇り、居合わせた相客にお愛想を振りまくあの元気さはいつまでも大事にしてほしいと願うのである。

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