しばらく不動産鑑定絡みのWeb検索をしていなかったのだが、ひょんなことから”はてブ”(Hatena::Diary)を検索していたら、興味深いサイトに出会った。実務修習のあれこれが書き連ねてあるのだが、それだけではなく評価基準に関わる記述も多い。 察するところ、ブログを書くのも受験勉強のうちとお考えのようでもある。 書かれてある内容も、書き込まれているコメントもレベルが高い、スラスラと読み流せないレベルの高さである。
《不動産鑑定士への道(受験~実務修習)》
最新記事の「実務修習修了考査で不合格になることについてのロジック」などは考えさせられる内容である。 鑑定協会・修了考査委員会の「七人の侍」も大変なのだろうが、我々既存の鑑定士も時には実務修習生の生の声に耳を傾けたいものである。
ある日のコメントにこんなのがありました。(09.02.21:修習生Y氏の書き込みから、抜粋引用です。)
“ 私が心配しているのは、従来から業界全体が閉鎖的で既得権益を守ろうとする不動産鑑定士が非常に多いということです。このことは実務修習と無関係のようですが、実は非常に密接な関係があると思います。自分の既得権益を守りつつ、指導鑑定士になろうとする鑑定士がどれほどいるのでしょうか?”
同じく、(09.02.23:第一回修習生氏の書き込みから、抜粋引用です。)
“ 世間に不動産のプロとして認められることは今後も難しいと思います。そもそも民間向けに作られた資格ではありません。民間の依頼者サイドは鑑定業者のレベルをよく知っています。今の鑑定業界が広く世間に知れ渡るということは、鑑定業界のやってることやレベルを知られてしまうということなのです。情けない話、それは旧態然とした鑑定業界にとって最も恐れることなのです(笑)”
この「不動産鑑定士への道(受験~実務修習)」サイトからのリンク先でもう2件のサイトを発見した。
《1日でも早く、不動産鑑定士になる!!》 受験生のサイトである。 最近の受験事情が窺えるサイトである。
このサイト記事のなかで茫猿が首を傾げたというか、判らなかったのが『高度利用賃貸』なる用語である。鄙では聞いたことがない用語である。 修了考査委員会が示した「第2回修了考査・論文式の考査のテーマ」が『指定類型実地演習の細分化類型等が高度利用賃貸の鑑定評価の条件として、想定上の付加条件を付ける場合の留意点について述べなさい。』なのである。
記事中の解説では次のとおりである。
“ 実務修習でいう高度利用賃貸の定義とは、
『都市計画法上の用途地域が商業地域で、
指定容積率が500%以上の地域にあり、
かつ、専用面積の過半が賃貸(空室で、
賃貸可能な部分を含む)に供されている建築物』”
一つ、勉強させて頂きました。 想定上の付加条件を付ける場合の留意点? 皆さんも考えてみませんか、何も思い浮かばなかったら修了考査には合格しないということです。
しかし、この修了考査論文のテーマであるが、先ず日本語としていかにもこなれていない。一読した限りでは何を言っているのか理解できないのである。 多分、こういうことなのであろうか?
「指定類型実地演習のなかで、細分化類型等に示す類型に”高度利用賃貸”がある。 評価対象不動産の細分化類型が”高度利用賃貸”である場合に、その鑑定評価条件として想定上の付加条件を付けるとした場合に、留意すべき事項について述べなさい。」
さらにもう一件”h18_rea氏”がリンク紹介するサイトである。 《不動産鑑定評価を考える》(不動産鑑定士:竹下俊彦氏) 鑑定評価、なかでも正常価格について論陣を張っている。 こんなサイトが増えてゆくこと、そしてWebのなかで研磨や切磋が進むことを願うのである。
このサイトのカテゴリー「千思万考」06徒弟制度も興味深く読ませて頂いた。「不動産鑑定士への道」に投稿されるコメントと比較し合わせて考えると、何やら見えてくるものもあるようだ。
3月24日頃は、第二回の終了考査の発表日である。
「h18_rea」氏の合格を祈ります。
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森島先生はじめまして。
ブログ『不動産鑑定士への道』の管理人をしている
h18_reaです。(ハンドルで失礼します)
鑑定士試験に合格した頃から、(当時はExciteのブログでした)
拝見させていただいていた「鄙からの発信」で拙ブログを
取り上げていただくとは夢にも思っておりませんでした。
ご察しのとおり、ブログに書くことで自らの考えを整理したり
他の方の意見を伺えると言うことで、荒削りな状態でも自分の
考えを載せたりしています。非常に勉強になっていると思います。
考査の結果はわかりませんが、真の不動産鑑定士への道は
合格後に始まると思っています。
今後も向上心を忘れずに『不動産鑑定士』への道をひた走って
行きたいと思います。
しばらく前に「であることと、すること」(09.02.21)というエントリーを揚げました。
h18_rea氏が鑑定士となられてからも、《鑑定士となられてからこそ》、鑑定士として”すること”を大切にされるよう祈念します。いいえ、期待申し上げます。
貴サイトに書き込まれた幾つかのコメントを否定はしません。修習生Y氏や第一回修習生氏の云われることも的を射ていることが多いのも事実でしょう。でもそんな鑑定士であることに”アグラ”をかいている人の多い現実を変えてゆくのは、「不動産鑑定士の道」を志す若い方達(年齢ではなく、心の在りよう)の”不動産鑑定士として何をするか”ということに懸かっていると思っています。(先輩面は勘弁して下さい。)
不動産鑑定士だからこそ、不動産鑑定評価という枠にとらわれることなく、不動産というものを考え続けて頂きたいと願います。