【只管打座・・感じる危うさ・・01.05.30】
読者諸兄姉は、危うさを感じないですか? 負傷を押して出場し、本割り敗戦後の優勝決定戦で武蔵丸を破って優勝した貴乃花は見事です。多くの賞賛の声に異論はありません。
しかし、必要以上に賞賛されているのではないでしょうか。半月板損傷という、負傷箇所が膝であるだけに、力士生命を失いかねない怪我を押して出場する貴乃花の意志は称えたい。だけど、負傷を押して出場することが本当の勇気ある態度なのでしょうか。
何よりも、目の前で足を引きずる横綱と2番も取り組まなければならない武蔵丸の心中はいかばかりであったでしょうか。片八百長とはいいませんが、武蔵丸はいつもの力が出せなかったのではないでしょうか。
第一、大相撲の横綱として、負傷していることを顕わにして土俵に上がることは、対戦相手の横綱に対して失礼ではないでしょうか。そして、あのような取組が本当の意味でフェアと云えるのでしょうか。 あの一番を闘った横綱貴乃花に対する賞賛の声が高いことに「ある種の危うさ」を感じています。
賞賛の声は「斃れて後、已む」という特攻的精神につながりかねないものであり、その割には「武蔵丸の武士の情けの在り様」をおもんばかる側隠の情に心配るコメントの少なさが気になります。
何より、涙して称えた小泉総理のファナテイックな態度が気に懸かります。政治家としては、もっと冷静なコメントが欲しかったと思います。表彰式の土俵上で「負傷を押して、よく闘った。感激しました。」というコメントをするならば、土俵を降りてから「どうどうと敢闘した武蔵丸関にも敬意を表したい。」位のコメントをして、敗者に対する気配りが見せられないものでしょうか。常とは違う一番であっただけに、何かと気になります。
いつもの蛇足です ———
妻の出産に立ち会ったり、子供の手術に付き添うために試合を欠場する外国人選手に、日本の観客は決して暖かくありません。自分の体調は自分で管理し、時に体調不良を理由に欠場する選手にも暖かいコメントは少ない気がします。高校野球で腕が折れるまで投げろという、誤った敢闘精神を強要する大人達。何か危うい。
【閑話休題】
今回の会長選挙結果は、今回も現職が当選されましたが、2年前の選挙と比較すると興味深いものがあります。
・・・・・・・・・・・【茫猿の立候補した99年選挙】 【安藝対塚本 01年選挙】
・安藝会長得票率 49.5% 56.7%
・無効を含めた批判票率 50.5% 43.3%
・棄権率 26.3% 27.6%
※批判票は、複数候補の合計です。棄権率は有権者数との対比率です。
前回選挙でジバンもカンバンもカバンもある現職候補に対して、対立候補の準備不足は否めないものでした。今回選挙も同じことが言えます。二年後のことを今から言うのは早すぎるとは承知の上で、二度有ることは三度あるのか、それとも三度目の正直となるのか。
帰趨を握るのは、三割近い棄権会員であろうと思います。それだけに、せめて半年前からの、できれば1年前から準備を積んだ候補者の登場が待たれるし、全国的なネットワークを形成しての候補者発掘が期待されます。
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