さよなら岐阜600V線区

 以前にも記事にしていました岐阜市の路面電車が05.03.31最終営業運転をもって廃線になります。岐阜市内から路面電車が消えてしまいます。
先週の土曜日、無くなる前に一度乗っておこうと、始めて現在の600V線区を全線乗車してきました。本日はその報告です。


600V線区とは名鉄本線と異なる低電圧路面電車区間の総称です。
岐阜市内と周辺郊外の揖斐線(忠節駅・黒野駅間)、市内線(忠節駅・北一色駅間)、美濃町線(北一色・新関駅間)の三路線を云います。
 名鉄岐阜市内線は現在の東西路線だけでなく、以前は岐阜駅前から市内を南北に縦断して長良川を越え、現在の山県市高富町まで通じていましたが、その路線はずいぶん前に廃線になっています。この高富線には幼児期の頃に随分とお世話になり懐かしい想い出がたくさんあります。しかし、この東西路線は乗車したことが無く、廃線となる以上は一度は乗っておこうと考えたものです。
05.03.12 12:30 揖斐線黒野駅 本日の始点です。
以前は、この駅からさらに揖斐駅や谷汲駅に通じていましたが、数年前に廃線になっています。廃線が間近いことから、いつになく人影が多い駅構内です。記念グッズの臨時売店も設けられていました。

黒野駅の構内
フォームの行き先案内表示板にはうっすらと、今は廃線となった黒野駅の西方の次駅名が読みとれるのも感慨を誘います。

黒野駅に入線するモ770型電車

車内から見るアーチが美しい長良川忠節橋、この鉄橋越しに見る長良川に沈む夕陽はとても美しい風景です。

名鉄岐阜駅で揖斐線を降り、関線フォームへ、左が関線、右が犬山線です。茫猿も含めてカメラを抱えた乗客が多いことでした。名鉄は常滑の新空港セントレアに直通特急電車を走らせていますが、新しく生まれるもの、使命を果たして消えゆくもの、諸行無常の世界です。

※名鉄快速特急ミュースカイ
http://www.meitetsu.jp/centrair/detail.html
岐阜市芥見付近で津保川鉄橋を渡るモ570型電車
のどかな風景です。

同じく、鉄橋を渡るモ570型電車の勇姿

赤土坂駅で展示される丸窓モ510型電車
年輪を重ねた風格がとても佳い雰囲気です。

名鉄関駅構内
以前はさらに美濃市まで通じていましたが、廃線になってしばらくになります。今はここから長良川鉄道関駅まで連絡線がありますが、それもしばらく後には廃線となります。右側の白地にグリーンの電車はしばらく前にローレル賞を確か取ったはずだが、これも次の天地は広島か岡山か長崎か、それとも高知だろうか。

 終点の名鉄関駅、狭い駅舎内は親子連れや鉄道マニアの観光客が結構一杯でした。アクセスの良否もあるのだろうが、揖斐線はマニアの姿が多く、美濃町線はマニアも多かったが小児を連れた家族連れやカップルも多かった。パートナーは車で追いかけているのだろうか、単線だから離合する途中駅で会話するペアも見かけたのは時代の流れだろうか。鐵チャンは男の世界だと思ってたけど。(さすがに、沿線でカメラを構えていたのは100%男性でした。)

土曜日の昼下がりと云うに、人影が無くシャッター通りと化している関駅前の本町商店街、郊外の大型店舗に客を奪われたせいとはいえ、これでは廃線もやむなしか。

当日の1DAY切符

 関から岐阜への帰りも、電車で往復という手を考えないではなかったのですが、昼食抜きで移動しており腹が空いていたので、沿線小屋名駅付近国道沿いに一年前に開店した「京都有喜屋・和蕎庵」に立ち寄り、遅い昼食を頂きました。
 有名な有喜屋で十年修行した主のつくる蕎麦は、とても美味です。
天ザル台抜きと蕎麦味噌を肴に、名鉄600V線区に別れの杯を上げた後に、ザル二枚を頂きました。
600V区間IDAYフリー切符が1,200円、岐阜から黒野駅まで及び関から岐阜までのタクシー代が約8,000円、和蕎庵の蕎麦と酒代が約2,500円、ささやかな贅沢というか、早春ののどかな半日でした。(合掌)

京都有喜屋のサイト
http://www.ukiya.co.jp/
名古屋鉄道(株)のサイト
http://www.meitetsu.co.jp/
名鉄写真館サイト
http://www.jan.sakura.ne.jp/~kenbou/meitetsu/meit600.htm
レポート5 名鉄岐阜市内線・美濃町線・揖斐線について
http://town-m.vop.jp/report_5_gifu_tram.htm

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