塾『鄙からの発信』 Ⅸ報告

 昨日は久しぶりの塾『鄙からの発信』を開催しました。何名かの支援者による秘やかな働きかけもあったようで、塾頭が講師を務める会にしては、思わぬ多数の参加がありました。 引き続いての懇親会も十名以上の参加があり盛り上がりました。なかには懇親会のみの参加者もおられたようです。 さて、そこで幾つかの質問や提案をいただきましたので、Webを通じてお答えします。


一、NSDI-PTについて、何故にオンライン化なのか?
公示事例カードNO.2作成については、既にオフラインで実施済みである。 また様々な市販ソフトを利用すれば容易に実現可能である。 なぜ、オンライン化を進めるのか。
 山口会セミナーでも類似の質問を頂戴しましたが、ご質問は至極もっともな疑問であろうと思います。安全性、安定性、費用性いずれの観点からしてもオフライン作業の方が優れていると思われる点も多いのでしょう。 でも視点を変えてみれば、このようなことも云えるのではないでしょうか。
1.安全性については、会員事務所のパソコンには守秘データを可能な限り保存しないと云う観点からは、サーバにデータを保管するオンラインシステムが優ります。 安定性については、システムの初期不良を取り除くまでは不安定かもしれませんが、その時期を越えれば安定すると考えます。 費用対効果の観点からは、多数の会員が参加することにより、会員一人当たりの負担は軽減されると考えます。
2.オンライン化の利点
 オンライン化は公示事例no.2作成を目標とするものではございません。no.2は単なる通過点です。 オンライン化の目標は地理情報活用の基盤整備にあります。 またネット上の情報を利用する上でもオンライン利用が優るものと考えられます。 また共通の地理情報基盤整備があってこそ、有機的な会員の利活用が実現するのであろうと考えます。 何よりも事例緯度経度情報の設定後利活用の即時性やデータの交換配布の利便性という観点からはオンライン化が優るものと考えます。 さらに、過年度情報を含む大量の情報を三次元的に分析加工して社会に有益な情報発信を行うためにはオンライン化による共通基盤構築が欠かせないと考えます。
3.オンライン化即ち、NSDI-PTによる地理情報活用、REA-JIREI、REA-MAPなどは、結局のところ東京をはじめとして県外からの閲覧に便宜を図ったり、都市圏に事例を供給することではないのか? という根強い疑念がございます。
 ごもとっともな疑問ではあろうと思いますが、茫猿自身が永年地方圏に居住し鑑定業を営む者であるにもかかわらず「都市圏の便宜を図る事業を推進している。」ように受け取られているのであるのなら、とても心外ななことです。 REA-NETもREA-JIREIもREA-MAPも単位士協会の主管事業なのであり、構築費用や維持管理費の低廉化を考えれば全国共通基盤の方が優れているであろうと考えているだけのことであり、管理はあくまでも士協会の自主・自治・自律で運営されるものであることは自明と考えているのですが、少なからぬ会員の方はそうはお考えになっていないようです。
 このことは、都市圏在住の多くの会員が、インターネットで資料が閲覧できれば便利だと考えられることの反映でもあるのでしょう。 なかなかに難しく根深い問題なのであると思わされます。 自らの自治能力に自信を持ちたいものであると同時に、いたずらに閉鎖的にならず地方には地方の有するアドバンテージがあるのだという視点も持ちたいと思います。 さらに、時代の潮流は「情報開示」に向かっているということも忘れてはならないと考えます。 情報開示の流れにいたずらに抗うことなく、いかに処してゆくかという準備も考えたいものです。
二、なぜ公益法人化を急ぐ必要があるのか?
1.士協会の公益法人認定獲得は、公益事業として、地価公示、地価調査、相続税評価、そして固定資産税評価を挙げることにあります。なかでも固定資産税評価が重要と考えます。 地価公示と同様に、固定資産税評価の取り纏め業務を士協会公益事業として取り上げることにより、『士協会の組織として分科会を設置し、評価額のバランス調整等を行い、その成果や調査研究結果を社会に還元することによって、公益事業の目的を果たす。』と考えます。
 平成24年評価替えに伴う評価委託業務の契約等行為は、目前に迫っています。 27年評価替えを目標にするのであれば、さほど急ぎませんが、24年評価替えを視野に入れるのであれば急がねばなりません。 もう一点見落としてはならないと考えることは、全国の士協会が必ずしも同一歩調にあるとは思われません。 つまり、固評は士協会主管事業と考えない、あるいは考えたくないとする士協会が現れる可能性も否定できません。 そのような考え方が主流になる畏れ無しと思えばこそ、固評を士協会主管事業として早く位置づけるべきと考えます。
三、塾において、堅苦しくない行事の実施を望むとの提案がございました。
1.東北会のシンポジウム参加と紅葉探索
 今秋に盛岡で開催予定の、東北会シンポジウムに参加し、盛岡、角館、鶴岡などの旅行を考えたいと思います。 時期は十月頃と予想しますが、シンポジウム開催時期が明らかになった段階で、企画提案します。
2.京都伝建美観地区探索と伝統芸能鑑賞
 京都の五花街、祇園、祇園東、先斗町、宮川町、上七軒のうち、三カ所程度を巡り、落ち着いた佇まいや路地を探索し、夜はお茶屋さんで伝統芸能を観賞する旅を企画します。 時期は五月下旬に塾『鄙からの発信』Ⅹとして考えています。
【追記】
 この記事をアップして後、ふとファクシミリを覗くと一通の通知が届いていました。某士協会の「事例閲覧料値上げの案内」です。 各地の士協会財政の逼迫を反映してか、続々と閲覧料値上げ通知が届きます。 士協会財政や事例作成の負担を考えれば、閲覧料値上げを一方的に批判することはできません。 値上げにも十分な理由があろうと考えます。
 それにしても、値上げに伴うサービス改善がなく、ただ値上げだけという士協会運営には疑問を禁じ得ません。 このことは、地元士協会においても同様のことです。 財政逼迫回避のために値上げするという、余りにも単純な内向き指向をとても哀しく思います。 値上げするからには、オンライン閲覧開始、一部資料のカラー印刷化、資料追加補充の便宜を図ること等々、実施できることは幾つかあろうと思われます。 またいたずらな閲覧料値上げ指向は、その反作用として事例相互提供の為の私的グループが生まれるなどの、迂回行為や水面下行為が蔓延する畏れも指摘できます。 このような行為が生まれることはセキュリテイ確保を危うくしかねません。 その挙げ句に自縄自縛に陥るのでなければよいがと、茫猿は危惧するのです。

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