梅小路機関庫

 先々週末から先週初めにかけては、西へ東へと旅を続けていた。 遊んでばかりいたのではなく、大阪では某会の研修セミナー、東京では鑑定協会総会へ出ていたわけであるが、その合間を縫って物見遊山もしてたというわけである。 梅小路の機関庫、正しくはJR梅小路蒸気機関車館であるが、もう三十年近く前に息子を連れて遊んで以来の訪問である。
 梅小路機関庫は蒸気機関車18両、旧二条駅舎、扇形車庫に転車台などの施設及び付随する線路等が鉄道記念物として保存されており、鉄道マニアにとっては垂涎の場所である。 しかもこの機関庫を取り囲むようにして梅小路公園が立地し、そのなかには京都市電・北野電車が今も走っているのである。 セミナーが終わってから出かけたものだから、動態保存されている機関車にも北野市電にも乗車はかなわなかったものの、その一部は見ることができた。


 機関車館に着いた時はちょうど蒸気機関車がその日最後の展示運転を終えるところだったのだが、最後の運転だったから逆に、明日の運転に備えて機関車に石炭や水を補給するため、ターンテーブルで蒸気機関車が回転する姿を見ることができた。 100tを越える巨体が音もなく静にターンテーブル(転車台)を廻る姿は、何というか威圧感などではなく、象が微笑みながら前を見せ、後ろを見せ、横腹を見せているような荘厳さに愛嬌さえ感じさせるものであった。
 話はそれるが、鉄道模型:Nゲージ・ジオラマ造りで一番楽しいし難しいのが機関車庫と転車台である。 当然に既製品を据え付けるのであるが、転車台から引き出す線路とヤードの配置、ジオラマ基盤の安定性などなど、結構厄介なのである。しかも油断すると故障が多いし脱輪も多いのである。 ある程度の広さがいるし、広いから掃除が行き届かないので、これまた故障の原因にもなる。厄介で持て余すけれど転車台と機関車庫の立地するジオラマは、それだけで存在感も増すのである。
 既に交通手段としての役割は終えているが、幾つかの公園に展示されている、例えば東京新橋駅前のSLのように、何やら痛ましささえ感じさせる展示ではなく、訪れるおとなや子ども達の歓声に支えられて今も動いている生きている、生命感を感じさせるSLである。 茫猿以上の年代には子どもの頃の懐かしさを偲ばせ、鉄道や旅へのあこがれの象徴であり、旅においてはトンネルに来るたびに窓を開け閉めした思い出や、煤煙で顔が煤びたりコークスの匂いを嗅いだ思い出につながるのである。 子ども達にとっても力強く廻る動輪や連結棒はあこがれなのであろう。 その昔、我が息子も一日そこから離れようとしなかった思い出がある。 転車台の上のD51200号機。
  
 今も動態保存されている上に、磨き上げられているC581号機、正面に菊の紋章、風除けには鳳凰の飾りがある。多分、お召し列車を牽引していたのであろう。
  
 一日の展示運転を終えて、釜から石炭ガラを除き明日の運転のために石炭と水を補強しているD51200号機。 ギャラリーの歓声も高い。平日のことだったからお孫さん連れの老夫婦というグループが圧倒的だった。
  
 補給を終えて機関庫へ戻るところのD51、手前の垣根にはクチナシが花盛りだった。
  
 梅小路機関車館の入り口並びに資料展示館は風格溢れる旧二条駅舎である。
  
 最初に話題にした、隣接梅小路公園にこれも動態保存されている京都市電・北野電車である。この日は既に展示運転を終えて車庫入りしていたから、窓にレンズを押し当てて撮った一枚である。画面左下には外の緑が写り込んでいる。
  
  梅小路機関庫から梅小路公園を抜けて京都駅方面に線路沿いを歩いてくると、京都駅にほど近いあたりに、格好の眺観場所(八条坊門町辺り、七条大宮からすぐ。)がある。 管理者も心得ていて、樹木を植えずにベンチを用意してあるので、手前から展示運転のSL専用線路、山陰線、湖西線、京都線、東海道本線そして一段高く新幹線を一望にできるのである。 入園料も観覧料も無し、マニアにはここも垂涎の場所だろうと思われる。 東京駅丸の内口オアゾの八階(ホテル内テラス)は飲み物を注文しないといけないけれど、ここなら望遠三脚を構えて一日過ごしても無料である。 しかも、SLと新幹線が同時に撮れる。 
  
 

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