白秋73切符-2

旅立ちまであと五日、青春18切符とJR時刻表2016/12号を新幹線岐阜羽島駅にて購入し、旅程を推敲している。《青春18切符の利用解禁は12/10からである。》
推敲すればするほど、あれも見たい、彼処も行きたいと云う思いが募ってくる。けれど18切符で利用できるのは、普通列車もしくは快速列車《主に都市圏限定だけれど》のみである。深夜到着列車から始発列車へ乗り継ぐなどということが、できる齢でも季節でもない。大都市ならば深夜営業の喫茶やファミレスもあろうが、地方圏ではそれも難しい。

願ったり適ったりの列車だと思えば「♦土曜・休日運転」だったり、かと思えば「土曜・休日運休」だったりして思うにまかせない。《♦印は運転日に注意記号》
快速列車に乗り継げるかと思えば数分差で間に合わずなどと、まるでジグソーパズルである。ついつい並行する新幹線や特急列車を利用したくなる。でもそれでは「青春18切符」の旅ではなくなるし「白秋73」の目的にもそぐわなくなる。なにより鐵ファンの面目にかかわる。

そこで、右往左往する思いを断ち切るために、鐵則を幾つか定める。
(1)この旅は、青春18切符を利用する老鐵ファン・白秋73旅。
(2)旅の目的は、長崎と鹿児島の市電踏破である。
(3)早朝発ちはよいが、夕方19時には投宿する。
(4)予約した宿と帰りの航空便は変更しない。

こうして、初日は大垣駅から出雲駅まで、二日目は山口駅まで、三日目は佐賀駅まで、四日目は鹿児島駅までの旅程が定まったのである。五日目は予備日みたいなもので、日本最南端の駅を訪ねるか、鹿児島市電を堪能するか、市内を巡るか、当日に決めればよいことである。青春18切符の利用日枠外となる翌六日目はLCC空路で帰宅するだけなのである。

長らく、一度は利用したいと考えながら実現せず、ようやくに旅立てる「青春18転じて今や白秋73切符」の旅なのである。旅を終えれば、もう二度と出たくないと考えるか、来年は高知市電を訪ねて四国を周遊しようと考えるか、それも楽しみである。

【閑話休題】冬至が近くなり陽射しが低くなると、我が鄙里の雑木林はずいぶんと明るくなった。イチョウやナンキンハゼはすでに落葉し黄色い枯れ葉を散り敷いている。楓がようように紅くなり、木洩れ陽に映えている。風のない穏やかな日に木洩れ陽を浴びながら佇めば、至福の境地とはこれかとさえ思える。20161202kouyoh

われひとりの紅葉と悦にいっているのだが、その実は訪れる人とていない侘び住まいの鄙里に散るもみじなのである。それにしても雨に洗われた紅葉はこの秋いちばんの彩りである。

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