寒緋桜開花

三寒四温というが、三日ほど肌寒い雨の日が続いたあと、今日からしばらくは暖かい春の日が続くようである。雨上がりの畑を見回ってきたら、我が鄙里の桜の先がけである寒緋桜が開花していた。桜の季節到来である。
明日は3.11 東北震災から7年目の3.11が巡ってくる。昨日は悼ましいニュースが伝えられた。近畿財務局で国有地管理にあたっていた職員が自殺したというニュースである。と思えば、米国大統領と北朝鮮金委員長が五月まで首脳会談を行うと云う。いずれも重いニュースで、語ることが多すぎてまとまらない。

《東北震災から7年目の3.11》
東北の復興は進んでいるかと云えば、見かけ上の土木復旧工事は進んでいるようである。巨大な防潮堤坊が沿岸に築かれ、里から海が見えなくなっている景色が当たり前のようになっているようである。浜近くの集落は高台に移転したり盛り土台地が築かれてもいるようだ。商業施設や公共施設の建築も進んでいると伝えられる。

でも、若年層を中心に人口流出は止まらないようであり、観光客の流入もピークを過ぎつつあるようだ。震災記憶が風化し、過疎化の波のなかに被災地が埋もれてゆきはしないかと懸念する。原発被災地はもっと深刻である。発災した福島原発を取り囲むように除染除去土砂や汚染廃棄物の中間貯蔵施設が作られている。地図上からは、ちょうど被災原発を取り囲む大きな緩衝帯《目隠し》のようにも見える。

中間貯蔵施設の全体面積は1,600haに及び、30年後には県外最終処分施設《場所未定》へ移転すると云う計画である。減容化(=資源化)実施後の高濃度生成物を受け入れる、最終処分場が確保できるかどうかは全く見えていないのが現状である。福島原発の解体処分後の廃棄物についても同じことが云える。

《近畿財務局職員自殺》
2016年6月に鑑定評価額から約8億円を引いた1億3400万円で大阪府豊中市の国有地が森友学園へ売却された。当時、近畿財務局の上席国有財産管理官で、森友学園と交渉にあたり、昨年秋以降は病気を理由に休んでいた職員が自宅で自殺されたという。決裁文書書き換え問題に関して、覚悟の上の自殺とは思えない。役所や報道など様々な圧力に抗しきれず、心も体も病んだことによる自殺であろう。決裁文書起案の現場にいる職員の自死はとても悼ましいことである。

時を同じくして佐川国税庁長官が辞職した。麻生財務大臣は昨夜、記者会見を開き、「佐川氏から『理財局長時代の国会対応に丁寧さを欠き、国会審議に混乱を招いた』こと」などを理由に辞任の申し出があったとし、「行政への信頼を損なった」として「減給20%3カ月」の懲戒処分を付した上で辞任を認めたと云う。

適材適所の人事と安倍総理が国会で答弁し、国税庁長官としても理財局長としても適任だと麻生財務相が胸を張る佐川国税庁長官を、『理財局長時代の国会対応を理由に』懲戒処分の上で辞任させるなど理解不能な話である。決裁文書書き換えの証人は自死し、国会説明の責任者は懲戒処分を受けて辞任した。おぞましい、とてもおぞましい幕引き劇の幕開けである。

《五月までに米朝首脳会談開催》
2018/02/09  平昌五輪に北朝鮮が急遽参加して以来、目まぐるしい展開である。金正恩氏の妹である金与正氏が平昌五輪開会式に出席し、四月には板門店で韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の南北首脳会談が予定され、次いでトランプ米国大統領と金委員長の米朝首脳会談が行われようとしている。

国連制裁の圧力が効いてきたからゆえの、北朝鮮の変化とも評価できようが、それにしても目まぐるしい変化であり、平壌とワシントンを飛び交う韓国のシャトル外交だとも言えよう。日本は蚊帳の外などと「度量の狭い」ことは言うまい。朝鮮半島から核が排除され、南北朝鮮が友好的に共存する時が来るのであれば好ましいことである。だが、まだまだ、着地点は見えてこない。

《寒緋桜開花》
我が鄙里にはいくつかの桜が植えてある。ソメイヨシノ、ヤマザクラ(鄙桜)、オオシマザクラ、河津サクラ、御衣黄サクラ、ヤエザクラなどである。それらの桜の最初に咲くのが寒緋桜である。せっかく開いた一輪の花だが、昨夜の雨に打たれて少し褪せている。でも多くの蕾が膨らんでいる。まだ風は冷たいが、この花が咲けば爛漫の春はもうすぐである。

今年も桜が楽しめそうだと思わされる歳に、鄙の桜守りはなりました。父も母も博一もムラキタも居無いけれど、彼らの分まで楽しみたいと思っています。
「 このさくら  去年(こぞ)のさくらも  このさくら 」

 

 

関連の記事


カテゴリー: 只管打座の日々, 茫猿残日録 タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください