2019参議院選挙・REIWA

2019年参議院選挙、結果が出た。結果を見て思うことは幾つもあるが、最も驚かされたのは投票率の低さである。戦後二番目の低さで48.8%であった。政治への無関心は令和に入って極まったというべきであろう。二人に一人が棄権するという異様さ、この無関心さが日本を何処へ向かわせるのであろうか。

安冨歩氏曰く。「低投票率は問題ではなく、構造的危機の表れの一つである。」 投票という行為を通じて政治に参加する”権利”を放棄し、そしてそれはそのまま次世代への”責任”の放棄でもある。構造的危機とは、このような”権利と責任”を簡単に放棄してしまう”民度の低下”を云うのであろう。

『れいわ新選組』は209万票を獲得し、特定枠二名の当選を確実にした。得票率は4.5%で政党要件を得た。(開票率93%) 山本太郎代表は残念ながら議席を失った。開票記者会見で山本代表は来年秋にも想定される衆議院選挙を視野に入れた今後の活動を約束した。

『れいわ新選組』は、特定枠二名の候補者、ALS患者の船後靖彦氏と重度障害者木村英子氏を当選させた。お二人の当選は、国会をバリアフリーに改造することを決定的にし、国会運営を難病患者や重度障害者に優しいものに大きく変えることとなろう。既に記者会見が変わりつつある。お二人は難病患者や重度障害者の社会進出を、さらに容易なものに変えてゆくことであろう。そうなることを期待したい。

07/20時点で『れいわ新選組』が得た寄付金総額は四億円に達したという。山本太郎氏と『れいわ新選組』によれば、今回の結果はスタートであるという。『れいわ新選組』が掲げた政策を実現させるためには、さらに大きな集団に変わらねばならないし、数度の衆参両院選挙を経なければならないことである。

自民公明両党及び維新は、憲法改正発議に必要な2/3を超えることはできなかった。早速、テレビで語られるのは、自民党が憲法論議に積極的な国民民主党に手を突っ込んで2/3を超えようとするだろうと云う。それも良かろう、そういった自民党の行動が野党の一本化を後押しする材料になるかもしれない。

それにしても、ネットの盛り上がり、品川駅前や新宿駅西口での街頭演説会の盛り上がりは、何だったのであろか。安冨歩氏が喝破している。「日本社会は個人同士がつながっている社会ではなくて、立場と立場がつながっている社会。日本人が恐れることは、立場を失うこと。立場に相応しい役目が課されていて、役を果たすために生きている。そんなイデオロギーにがんじがらめにされている」

マスコミが選挙期間中に『れいわ新選組』を全く無視したのは、マスコミの個々人が立場に囚われているからである。さて、今日から”山本太郎”と『れいわ新選組』は何処へ向かって走ってゆくのだろうか。とりあえずは党首討論に山本氏が参加し何を語るのであろうか。

待った無しの少子高齢化に対して政治は無策を続け国民は無関心を装う。米国トランプ大統領に忖度の限りを尽くし高額兵器の爆買いを続ける日本國、外国人労働者の移入を急ぎ足早に多国籍民国家へと変貌を続ける日本社会。社会が変化する速度が昭和より平成は間違いなく速くなり、令和はさらに速くなるであろうから、残された時間はそんなに多くない。 今は闘い済んで日が暮れての気分。

《追記》国会議事堂をバリアフリーに改造するのに幾ら要するのか分からないけれど、安倍総理はG20大阪サミットで各国の首脳を前に「大阪城にエレベーターをつけたのは大きなミスだった」と言った。

《追記 2019/07/26》
安冨 歩 「内側から見た『れいわ新選組』

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