【只管打座・・不思議なことに・・01.05.05】
網膜剥離にて4月23日の正午過ぎに緊急入院し、即日手術を受けましたが、ほぼ二週間の入院を経て本日無事に退院しました。
と申しましても、右目奥の鈍い痛みと靄がかかったような視力はまだ回復に至らず、今後の療養次第と云うことのようです。
網膜剥離は、一般にはボクサーなどに多い症状ですが、近眼である加齢者には1万人に一人程度は発症する病気のようです。茫猿は飛蚊症ではないかという診断から悪化させましたが、飛蚊症が発症原因ではなく、網膜剥離の症状として飛蚊症が現れたというのが正解のようです。
■飛蚊症
目の前を、黒っぽい影のようなものがちらつく「飛蚊症」。
人によって「蚊が飛んでいる」「ゴミや水玉が浮いている」など、さまざまな見え方をします。「飛蚊症」で来院する人の1/3は、特に心配のいらない生理的飛蚊症ですが、中には他の眼の病気が原因で起こることもあります。また「飛蚊症」が、失明の恐れもある「網膜剥離」の前兆症状として現れるケースもあるので、注意が必要です。
■網膜剥離
「網膜剥離」は網膜が何らかの原因ではがれ、視力や視野などの視覚に障害が起こる病気で、悪化した場合には「失明」する恐れもあります。その「網膜剥離」の前兆症状として、「飛蚊症」が現れることがあります。
その段階であれば、「レーザー光凝固療法」によって比較的簡単に治療できますが、進行して剥離が起きてしまった場合には、緊急入院をして手術を行う必要があります。また、視力の回復もかなり違ってきます。剥離が始まる前の段階で治療を受けるために、「飛蚊」を自覚した早期に受診することが大切です。
日本眼科医会・眼についての健康情報等より引用。
http://www.gankaikai.or.jp/health/index.html
さて、生まれて初めて身体にメスを入れ、二週間もの入院をしまして色々と考えることも多くございました。
病院のシステム、病院に集う人々の人生模様、平時の贅沢と緊急時の贅沢の在り様、入院に伴う気持ちの揺れなどなど、追い追いに『鄙からの発信』に述べて参りたいと思います。何より、百聞は一見に如かずであり、体験は知識に優ると云うことを実感したことです。
入院手術後の前半1週間はあっという間に過ぎたのですが、後半の1週間は退院の日を心待ちにしていました。それなのに不思議な心境を今味わっています。「何かつかみどころのない不安」と表現するのが正しいのでしょう。
二週間もの休暇の後で俗界に戻る不安、慣れてしまえば病院も佳いところであり、同じような悩みを抱える弱者同士のいたわり合う世界から日常に帰ることの不安感。病気を言い訳にできない現実に向き合うコトへの不安と表現することもできるのでしょう。
それに加えて、視力が何処まで戻るかが明らかでないことへの漠然とした怖れもあるのでしょう。
退院に際して喜びを感じるよりも、漠とした寂寥感を味わうという不思議な心境にいます。休日中でひっそりとした病院から、これまたヒッソリと退院したことによるのでしょうか。
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