林氏(福井士協会長)の声明

【茫猿遠吠・・林福井士協会長氏の声明文・・01.07.19】
 2001年7月17日付けにて、林 逸男氏【(社)福井県不動産鑑定士協会
会長】は、「固定資産税評価替えに伴う標準宅地の鑑定評価実施体制」
について、次のような声明文を全国に発表されました。
 茫猿はかねてより、以下に記す理由から、鑑定評価業務のなかにおい
て固評標宅鑑定評価が確固たる柱となるべきであるし、ならなければ鑑
定評価の将来が危ぶまれると述べて参りました。
 法改正による固評標宅鑑定の実施体制強化は、規制緩和の流れの中で、
異論もあることと存じます。
しかし、固評標宅鑑定評価が社会に与える影響の大きさと、その受託者
である不動産鑑定士が背負うべき責任の重さを考えれば、いたずらな低
廉報酬競争や受託獲得競争は百害あって一利無しと考えます。
・固評標宅鑑定を重視する理由
1.全国一斉・一括・大量の評価業務である。
2.課税額算定の基礎業務であり、直接的に国民に大きな影響をもたらす。
3.大量一括業務故に、数値比準表等デジタル化が避けて通れない。
4.固評標宅鑑定評価の価格網から、如何なる不動産評価も逃れられない。
5.取引情報並びに賃貸建物建設情報等の原始情報が自治体に存在する。
6.他にも広範なエリア情報(地域情報)が自治体に存在する。
 固評標宅鑑定評価の一連の経緯からすれば、全て自明のことであり、
詳細にふれることは控えますが、鑑定結果のもたらす社会的影響の大き
さもさることながら、評価手法としての数値比準表採用、固定資産税の
課税客体からして当然に収益価格の重視、価格ネットの充実とその開示、
地図情報システムの利用等々を考えれば、ご理解頂けることと存じます。
 さらに申し上げれば、各自治体に存在する鑑定評価の基礎となる各種
事例等に係る原始情報を的確迅速に把握することに始まり、評価の成果
としての固評標準価格の開示に寄与することにつながる一連の業務連鎖
が、今後は業容を多面的に展開することを求められている鑑定評価全般
の柱となると云っても過言ではないと考えます。
 岐阜会並びに岐阜県の実情は、現在の処では期待するようには展開し
ておりませんが、土地協の専門部会を充実し、その先にエリア単位の固
評鑑定士会が実現できれば望ましいと考えています。
 誤解をおそれずに極言すれば、今や公示・調査と並んであるいはそれ
以上に、その影響度からしても業務量及び業務内容からしても固評標宅
鑑定が柱であると考えますし、柱にならなければ将来は危ういと考えま
す。
林 逸男氏(福井県士協会長)声明の引用開始 平成13年7月17日
各都道府県不動産鑑定士協会長殿
林 逸男((社)福井県不動産鑑定士協会長)
固定資産税評価に係る鑑定評価の実施体制等について
 このほど、本部は標記に係る実施体制に関する会長名による文書の撤
回を通知してきました。固定資産税の鑑定評価の危機であると同時に地
方社団の存亡の危機でもあります。平成18年度評価替え以降については
「司法書士法」に学んだ法制化しかないと私は考え、同封の要望書を安
芸会長宛に送付しました。
 誠に僭越ではありますが、貴士協会におかれましても同主旨の要望書
を是非、本部会長宛に提出され、一大運動に発展するよう頑張ろうでは
ありませんか!!
 なお、資料収集権の確立についても併せて要望しておりますので、
ご参考に供します。
以上
<追伸>
本件に関するご意見を是非お寄せ下さい。
 (社)福井県不動産鑑定士協会
    福井市中央1−3−1 加藤ビル2F
    TEL 0776-21-0501
    FAX 0776-21-0525
    e-mail fukureai@siren.ocn.ne.jp
林逸男氏(福井県士協会長)要望書の引用開始
平成13年7月16日
(社)日本不動産鑑定協会 会長 安芸哲郎殿
林 逸男((社)福井県不動産鑑定士協会長)
要望書
1.固定資産の標準宅地鑑定評価実施体制の法制化について要望
 自治省通達により確立された標記実施体制は、当該通達の廃止、規制
緩和と地方分権の潮流並びに独禁法の遵守徹底の流れの中で崩壊の危機
にさらされている。
一方、特に地方の社団化は固評標宅鑑定評価の受け皿として実現したも
ので、同時に存亡の危機を迎えている。
 司法書士法の公共嘱託登記司法書士協会の条項(法第17条の6及び7)を
参考として、固評の標宅鑑定評価に限定した法制化(不動産の鑑定評価
に関する法律の一部改正)を是非とも実現されるようご尽力賜りたく要
望します。
2.不動産鑑定士の資料収集権の確立(法制化)について要望
 規制緩和と地方分権、情報公開条例の制定と個人情報の保護の潮流の
中で、不動産鑑定士の資料収集が危機に立っている。資料は鑑定評価の
生命であり、次々と拒絶されては業務を行うことができない。
 不動産鑑定士の資料収集権の確立が急務である。具体的には、不動産
の鑑定評価に関する法律の中に資料収集権を明文化することが実現され
るようご尽力賜りたく要望します。
以上
参考法令の引用開始
第17条の6(公共嘱託登記司法書士協会)
 司法書士は、その専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定め
る公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による
不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与
することを目的として、公共嘱託登記司法書士協会と称する民法第三十
四条の規定による社団法人(以下「協会」という。)を設立することが
できる。
2 協会の社員は、同一の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を
有する司法書士でなければならない。
3 協会の理事の定数の過半数は、社員でなければならない。
4 協会は、第二項の司法書士が協会に加入しようとするときは、正当な
理由がなければ、その加入を拒むことができない
第17条の7(協会の業務)
 協会は、前条第一項の目的を達成するため、官公署等の嘱託を受けて、
不動産の権利に関する登記につき第二条第一項各号に掲げる事務を行う
ことをその業務とする。
2 協会は、その業務に係る第二条第一項各号に掲げる事務を、司法書士
会に入会している司法書士でない者に取り扱わせてはならない。

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