スマトラ沖地震

【茫猿遠吠:スマトラ沖地震:05.01.11】
『スマトラ沖地震とエビ養殖』
 いささか旧聞というか、もう昨年のことになるのだが、
12/29の某紙朝刊の8面に4段記事で、農水省スマトラ沖地震で「エビ供給源懸念」という記事が掲載された。
「農林水産省は二十八日、スマトラ沖地震津波で東南アジアからの農水産物輸入に影響が出ないか本格的な調査を始めた。特にインドネシア、インド、タイ産のエビは日本の輸入量の四割程度を占めており、養殖場の被害状況を調べる。
タイ産の砂糖、鶏肉やインド洋のマグロの出荷にも影響が出る恐れがあり、積み出し港の施設への被害も確認する。」 という記事である。
 相も変わらず、業者中心行政である。
確かに、輸入エビ価格の高騰はあるかもしれない。
一部の業者が冷凍保存エビの売り惜しみをするかもしれない。
 それでもなによりも、現地養殖業者の心配をするべきであろうし、
仮に輸入量の減少を懸念しても、記者発表する問題ではなかろうと思う。
国内に多数滞在するであろう、関係各国の人々がどんな思いで
この記事を目にするであろうか。
 ましてや、下手な照会を各国関係機関に行ったら、
なんと脳天気な日本農水省よと、東南アジア各国から笑われることであろう。
名古屋人は「エビフリャー」が好きだが、半年や一年食べなくったって、どうってことはない。
現に牛丼はもう一年近く食べていないが、禁断症状は起こしていない。
『スマトラ沖地震と義援金』
 折々に立ち寄るサイトに「R30:マーケティング社会時評」というのがある。
そこに、こんな記事が掲載されていた。
『(中略)
 国際コングロマリットNGOにあって日本のNGOに足りないのは、大規模災害への人道援助という目先のやり繰りを超えたところでの、こうした活動維持・拡大のための長期的なスパンを見据えた先行投資の発想である。
 だから僕はあえて声を大にして言いたい。この国のことを思う日本人なら、数万円単位で寄付をしろ。それも、きちんと日本人を現地に派遣するNGOに寄付をしろ。
そして、できれば被災者への援助に対する寄付ではなく、NGO自身の日常の組織運営やマーケティング投資に資する寄付をしろと。
 「被災者の人たちがカワイソウ」という目先の感情だけで言い訳程度に数百円、数千円の寄付をしたところで(もちろんそれにまったく意味がないとは言わないが)、それは国際人道援助分野において今日本が抱える本質的課題の解決にはまったくつながらないのである。(中略)』(引用終了)
「R30:マーケティング社会時評」
寄付する前に立ち止まれ
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/01/donation.html#more
国際人道援助の投資戦略
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/01/donation2.html#more
 R30氏が云いたいことを茫猿流に云えば、こういうことである。
・寄付と喜捨は違うのである。
・寄付は領収書が得られる行為であり、経済的行為と云える。
・即ち、政府や自治体に納税する代わりに、使途を自ら決める行為である。
・喜捨はポケットマネーで行う慈善行為である。
 街頭で募金活動をよくみかけるが、茫猿は基本的に応じない。
限定的に応じるのは、「あしなが育英会」関係と「止揚学園」だけである。
幾つかの団体から寄付の依頼文書が届くが、茫猿が応じるのは「止揚学園」と「国境なき医師団」のみである。
 なぜかと云えば、寄付という行為にも責任が伴うものであり、顔の見えない団体への寄付は行わないと云う原則を守るからである。原則以外ではロータリークラブを通じての寄付があるが、これはクラブ会員としてのお付き合いと位置づけている。言い過ぎを承知で云えば「情緒的寄付や喜捨は百害在って一利ない」と云えるのである。そういう考え方が、とにかく「金を出しておこう」という考え方につながり、「間違った自己責任論」に転じてゆくのである。
『スマトラ沖地震と子供たち』
 少しずつ問題点が見え始めてきたツナミ被害である。
とりあえずの医療支援、食料支援も大切だが、このことは対策が取られつつあるようだ。しかし、その後の問題、つまりツナミ後遺症が大きな問題となるようだ。マスコミ報道以上の情報はないが、ツナミで孤児となった子供たちへの対策が講じられなければならない。
 偽里親事件は論外としても、孤児たちへの教育支援や生活支援が必要であるだろうし、しかも幼児が相応の年齢に達するまでの息の長い支援が求められているのであろう。
 学費資金援助といった類の里親制度は以前からあるし、「あしなが育英会」も早速に活動を立ち上げたようだ。
茫猿としても、及ばずながら微志を協力するつもりである。
それにしても、「あしなが育英会」などは、真っ先に寄付控除対象法人にならなければいけないと思うのに、日本の行政は血の通わないことおびただしい。
「あしなが育英会」
http://www.ashinaga.org/index.php
※趣旨のよく似た団体に「財団法人交通遺児育英会」という団体がある。
この団体も「あしながさん」という名称を使っていることから混同される。
コメントは控えるので、興味のある方は、下記のサイトへどうぞ。
日本の社会福祉事業の一面を垣間見ることができます。
「あしなが・つっかい棒の会」
http://homepage2.nifty.com/ashinaga-bo/
「財団法人交通遺児育英会」
http://www.kotsuiji.com/

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