平澤氏のメール

 強制加入化問題に関する鑑定協会宛の質問書について、平澤春樹氏よりメールを頂きました。 平澤氏は鑑定協会副会長で在ると同時に、有限責任中間法人全国不動産鑑定士会の設立時社員であり現理事でも在られます。平澤氏のメールは私信であり全文開示はできませんが、大変重要な指摘が幾つか述べられていますので、氏のご了承を得た上でその一部をサイトに転載します。


【平澤氏のメール・部分転載】
1.強制加入(団体)制度について
 内閣府規制改革・民間開放推進会議(以下、規制改革会議とします。)は、強制加入を見直す前提で始まっていますが強制加入制度の推進の検討を目指しているものではない点については全く同じ認識です。規制改革の当初の流れは、強制加入制度が参入障害に当たり規制緩和の方向に逆行するものと一般的に考えられてきたのではないかと思います。
 司法改革の中で、誰でもできるADRの制度化の検討がされ、時効中断、執行権付与等の論議を経て、「隣接法律専門職種」という新たな概念が生まれました。
このことは規制緩和だけでは解決できないある種の専門家を司法改革の中で認めたということになります。この時点から流れは変わったと私は考えています。
その後、規制改革の柱は「規制緩和、参入障壁の撤廃」と同時に「国民にとっての利便性」の視点が加わり、二本建となっています。専門家についても「強制加入の撤廃」と同時にそのことが「国民の利益に真につながるか否か」との視点で審議がされることになると思われます。
 規制改革の流れが明らかに変わったという状況認識が鑑定協会指導部には全くありません。
強制加入の見直しを検討している規制改革会議が元々、任意団体である不動産鑑定士の監督機関である国土交通省にヒヤリングを行うという論理矛盾についても国交省も協会もいまだに気付いていません。不動産鑑定士の専門職としての専門性に規制改革会議が注目し始めていることすら認識されていません。
2.名称僣称か否か
 名称僣称か否かについてですが、現行業法では(社)日本不動産鑑定協会は唯一団体ではないので「中間法人全国不動産鑑定士会」は、各県士会と同様に一つの鑑定社団です。それ故、全国不動産鑑定士会は集会結社の自由に基づく国民一般のもつ基本的な権利を持っていると思います。従って名称僣称か否かは訴訟上の問題ですが、既に中間法人として登記されており、商号上も僣称にあたらないと思います。
3.強制加入(団体)制度への移行は機関決定を経ているか否か
 外形上も実質上も理事会の追認を受けており機関決定がされています。 【以上、転載終了】
【平澤春樹氏について】
 いぜんにも「E-Forum:鑑定士」で紹介しているが、平澤氏はブログサイトを主宰しメールマガジンを発行している。
 この「APPRAISAL OPINION」に、10/25から11/06にかけて「規制改革をめぐる協会の動向」と題する記事が13本集中連載されている。
 明日11/07は、鑑定協会の正副会長及び常務理事会が開かれ、国土交通省との意見交換会も予定されているそうで、報告記事も予告されている。
余所事ながら一連の推移からすれば、明日の役員会や国交省との意見交換会は荒れ模様と予想する。時節柄、眼を離せないサイトでありメルマガなのである。
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 もとより個人的に収集した情報を個人の責任において発信するものであり、鑑定協会の機関決定を経ているものではありませんが、1人の不動産鑑定士として私の意見を発信してゆきたいと思っています。
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