何なのこれなのである。Googleの新しいサービス「ストリートビュー」である。何気なしにクリックしてみて驚いた。今のところ、東京をはじめ、大阪、京都、札幌、仙台など一部都市の市街地に限られるけれど、路地に近い細道まで景観を見ることができるのである。しかもズームイン可、360度回転可なのである。
試しに、東京は虎ノ門三丁目、鑑定協会事務局の所在するSVXXビルの前の通りは「ここから見られる」のである。柴又駅前の寅さん像も、駒形どぜう・江戸文化道場もモニターに表示されてしまうのである。
空恐ろしいサービスを始めたものである。都内の地価公示地点を「Googleストリートビュー」から、所在地検索で観察することが可能となったのである。NSDI-PTでGIS利用研究などと言っているうちに、世界は一歩どころか、数十歩先に行っているのである。止まるところを知らない情報開示でありコモディテイ化なのである。一体全体何処まで行くのであろうか。そこに鑑定評価のブランディングはあり得るのだろうかと思えば、自分がやろうとしていることが、とても瑣末なことに見えてくる。
やらねばならぬのは、取引情報や成約情報の全面GIS開示なのであり、その後に何が見えてくるのかなどと云うことは、社会や後世代に委ねておけばよいのであろうと思えてならないのである。
追記(08/08/08) 今日はこんな記事がGoogleニュースで配信されてきた。
「Googleストリートビュー」は見えすぎちゃって困る?
ITmedia – 2008年8月6日 – Googleストリートビューが物議をかもしている。「自宅が写ってた」「妻を発見」程度ならいいが、ラブホテルに入るシーンを“激写”され、世界に公開されてしまうのはちょっとつらい。
我々はGoogle帝国の手のひらの上で踊らされる近未来が来る、いいえ既に踊らされていると考えるのが正しいのかもしれない。NSDI に関していえば、政府の日本版Googleという発想も何やらきな臭いのであるが、GoogleMap、GoogleEarth、そしてストリートビューとくれば、検索サイトにGoogleを利用することも躊躇せざるをえないのだが、今やGoogleなくしてインターネットを効率的に利用できないし、だからといってYahooを使おうとGooを使おうとBaidu(百度)を使おうと、その後の結果は似たようなものだろう。インターネットやパソコンを使わないと云う見識を改めて見直さざるを得ないのだが、 とはいうものの(?!)なのである。
昨日から「地頭力を鍛える」を読んでいる。 何かを調べたい時にインターネット検索からコピペばかりしているうちに、いつのまにやら思考停止に陥り、自ら考えることを放棄していないかという問いかけから始まる本である。地頭力を鍛えるのか、Googleストリートビューを楽しむか、現代人の悩みは深い。
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