鑑熟会発足

 世間ではよく「老兵は死なず消え去るのみ」などと申します。 しかしながら、アラカンとはいえアラセブンとはいえ、世捨て人になるにはまだまだ血の気多く艶気盛んでございます。 とは申せ、地価公示から引退し会議に呼ばれること少なく、訪れる人も間遠となれば、身の回りの静けさが一塩身に沁みる秋でもございます。
 死者は墓に在るのではなく、生きる者の心の内にこそ命永らえるとも申します。
昨日岐阜県在住の高齢鑑定士を中心に鑑熟会なる会を設立しました。 物故者に一巻の経を差し上げて追弔したのちに席を替えて先達を偲んで歓談のひとときをもちました。 鑑熟会設立の趣旨は互いに相集いて過ぎ去りし良き日を懐かしみ、亡き先輩方を思い出すことにあります。


 たまには現役の諸君に小言を言うときもあるやもしれませんが、老練完熟鑑定士の集いの場を設けることにこそ本意がございます。 もちろんのこと、それ以外にも何か世間のお役に立てることがあればと思いますが、それは追い々々に探してまいることに致したく存じます。
 参加会員資格は
一.岐阜県士協会に永年所属した70歳以上の鑑定士を鑑熟会員とします。
二.65歳以上70歳未満の鑑定士を半熟会員とします。
三.60歳以上65歳未満の鑑定士を未熟会員とします。
 会合では厳格に長幼の序を守り、先輩が語るときは逆らわず拝聴すること、特に先輩方鑑熟会員の体調に留意して決して酒を強いないこと、ただし先輩の差し出す杯は何ときといえども拝辞しないことと云うのが数少ない取り決めです。
 温故知新と申しますが、業界の歴史は近く五十年になろうとします。 鑑熟会メンバーのなかでも鑑定評価草創期を知る者は既に一人もいません。 かろうじて地価公示や地価調査の草創期を経験しているのみです。 歴史を若者に語ることは得てして歓迎されませんが、ならば歴史を共有する者同士で歴史を語り継ごうという気持ちもございます。 年寄りの冷や水ではなく、年寄りの向こうミズ(見ず)を目指そうかと云う話もございます。
 年間行事は春秋のお彼岸の頃に物故会員の追弔会を開催し、その後に精進落としをして、和やかに語らい、飲み、食し、ときに声高らかに唄うことにあります。次回は春のお彼岸の頃、桜の下での再会を約し、それまで健康第一にて過ごされることを祈念してお開きと致しました。  第一回鑑熟会創設メンバーです。

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鑑熟会発足 への1件のフィードバック

  1. I.M のコメント:

    半熟にもなれない未熟な60歳、未だ青二才。
    これが還暦を迎えた、私の鑑(完)熟会での相対的地位、階級のようです。(笑い)
    もう少し頑張ろうと意識を変えました。

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