清水千弘氏について

 先号記事で、「先頃(2010.1.29)は 静岡県不動産鑑定士協会にて『不動産市場の予測可能性』と題して講演された清水千弘氏も、ほぼ類似のことを述べられたと仄聞しているのである。」と述べた。 この清水千弘氏について補足する。 清水氏の経歴その他については、氏のサイトを御覧いただきたいが、氏のサイトには興味深い記事が幾つも掲載されている。


 清水氏については、畏友G氏から教えられたのであるが、改めて氏のサイトを閲覧してみると、随分と教えられる記事が多く記述されている。それに加えて清水氏は岐阜県大垣市の出身であり、さらに我が母校大垣北高の卒業生でもあるらしいから、嬉しいことに後輩ということでもある。G氏は塾『鄙からの発信』に講師として清水氏を招聘してほしいと言うのである。 清水氏の2010年度海外出張予定を見るだけでもとても多忙を極めているようだから、機会を得ることは難しかろうが、できることならば実現したいと思っている。
『清水氏の研究テーマから』
 幾つかの研究テーマをサイトは示しているが、そのなかから一つを引用掲載しておきます。

・鑑定評価誤差に関する研究:1997-2002, 2008-
 不動産投資に際し,とりわけわが国においては,不動産鑑定評価の役割は極めて大きい。しかしながら,内外を問わず不動産鑑定評価には一定のバイアスが存在していることが知られている。西村・清水(2002), Shimizu and Nishimura(2006)においては,その問題をValuation ErrorとSmoothing問題に求めて,実証的に明らかにした。しかしながら,不動産証券化市場の発達は,この問題を鑑定評価の問題だけでなく金融市場への問題へと発展させてしまった。その背景には,どのような構造が存在しているのか。たとえば,先行研究に注目すれば,鑑定士に対してクライアントの影響がどの程度作用を及ぼしているのかといったことが研究されている。日本においては,パワーバランス問題として指摘されている。もし,このような問題があれば,不動産投資の持続的な成長を実現するための大きな隘路となりかねない。本研究は,不動産投資市場におけるValuation ErrorとSmoothing問題を改めて明らかにすることで,どのような制度設計が必要となるのかを検討しようとするものである。
(麗澤経済研究2010年春号に掲載予定)

『清水氏の講義レジュメから』
 不動産マーケティング論(Real Estate Marketing)
『清水氏のエッセイから』
 氏がサイトに掲載するエッセイから目次をコピー引用する。
A.不動産市場を見る目
2010.03.15 不動産価格指数の歪み
2010.02.19 不動産価格は再び上昇するのか?
2010.02.17 環境リスクと不動産市場
2010.01.31 不動産鑑定評価の歪み
2009.11.17 金融危機後の企業不動産戦略
2009.10.27 不動産情報整備と開示の議論を分けよ!
2009.09.27 あなたは,一体何に対して投資をしたのですか?
2009.09.05 不動産業者の責任?
2009.09.02 民間賃貸住宅の制度インフラ
2009.08.31 両手仲介はなぜいけないのか?
2009.08.19 住宅価格指数の精度高めよ
2009.08.07 環境と不動産投資-責任ある不動産投資
2009.07.27 住宅価格指数は,どのように整備されるべきか
2009.05.25 住宅政策は何をすべきなのか
2009.04.05 なぜ,不動産に投資をしなければならないのか?
2009.03.23 長寿命住宅の経済的意義-英国の情報整備との比較
2008.10.06 新しい金融システム下における不動産投資市場の再構築
2008.08.09 企業不動産戦略の実践
2008.01.23 既存住宅市場の活性化に向けての条件
2007.10.17 企業における不動産戦略
2007.07.08 住宅関連情報の整備と消費者保護
2007.06.13 不動産投資インデックスの整備急げ
2007.03.14 不動産デリバティブと不動産投資市場の行方
C.その他
2002.09.30 不動産市場分析を行うものの心構え
2002.08.27 不動産投資インデックスの整備の重要性
2002.07.26 データからの知の発見
2002.06.28 不動産鑑定士の転職
2002.05.28 時系列分析の可能性
2002.03.19 証券化市場における不動産鑑定士に求められる資質
2002.02.26 証券化不動産の鑑定評価における継続評価問題
2002.01.26 不動産鑑定評価報酬について
2001.12.22 取引価格の情報整備
2001.11.27 統計分析の付き合い方
(2001年以前の不動産市場分析に関するちょっとした書き物)
2001.09.20 不動産市場を科学する2
1996.11.09 オフィス市場の将来予測
1998.12.15 今,不動産市場で何が起きているのか
1998.06.24 不動産市場を科学する1
1997.10.03 企業不動産戦略
1997.05.08 キャップレートの決まり方
1997.01.12 生産緑地法改正の効果
1996.11.09 公示地価の都市間格差
1996.10.04 国際地価比較
1994.03.01 ドイツの土地情報

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