IPADそしてNSDI

 昨日のIPADの話であるが、なにやら意味不明かもしれないので、追記しておきます。
IPADとNSDIの関連を具体的に記せばこういうことである。


 まずIPAD、サイトを見れば詳しく紹介されているが、A4サイズ重量680gととても軽量でアップルの特徴である「ユーザーフレンドリー、とても親和性の高い」モバイルパソコンである。マッキントッシュの時代から、アップルのパソコンはマニュアル不要である。どしどし触ってゆけば自然に操作を覚えてゆく。IPADもその伝統を受け継いでいる、IPADを電子ブック閲覧ツールと見ていては間違いで、IPADは軽快で楽しいノートPCの枠を大きく越えたノートPCである。
 次いでyubichizであるが、yubichizとはIPAD専用の地図アプリである。IPADからyubichizを起動してYAHOO mapを操作するのである。これがまた優れ物に成長してゆく予感を感じるアプリである。 液晶画面を指先で操作しながら地図を開き移動してゆく、キーボード不要の地図操作なのである。
 一連の作業工程を考えてみると、
(一)不動産評価や調査の現場でGPS内蔵カメラ(携帯デジカメ)やGPS内蔵携帯電話で現地写真を撮影して、サーバに送信するか、または写真ファイルを事務所のPCやIPADに転送するのが第一の作業である。 この段階で、緯度経度情報を保有する現地写真ファイルが作られる。
(二)次は、この写真ファイルをIPADからyubichizを起動して見ると、縮尺自在の地図上に撮影地点が表示されるのである。不動産固有の登記事項情報については、登記事項レコードと写真ファイルを指先でリンクさせれば完了する。 駅や学校、病院、役所、店舗など各種の属性情報についてはYAHOO地図のAPI機能のうちルーテイング機能を利用して、施設名と距離情報を取得すれば事足りるのである。
(三)接面道路幅員、道路種別、都計用途区分等の情報についてはまだまだ自動取得という訳にはゆかないが、そのうち都計用途区分については一般開示が予定されるサイトが準備進行中と聞くから、近いうちに自動取得も可能となるだろう。 間口奥行や画地形状についてはしばらくは手作業が必要である。
 いずれにしても不動産物件調査の相当部分については作業自動化が見込まれるのである。 自動化は必然的に負担の軽減を生むものであるし、作業のコモデテイ化も招くこととなる。
(四)さらに「WimaxWifiモバイルルータ」を利用すれば、全国の市街地及び市街地周辺部において一連作業のモバイル化が実現する。 いわばどこでもいつでも鑑定評価、事例調査ということになる。いつでもどこでも調査が可能となるだけでなく評価も可能となるのである。 A4サイズ680gのIPADは鑑定士の必須アイテムとなるだろうと予感するのである。
 賢明な諸氏はもう御理解済みであろうが、IPADが鑑定士必須アイテムなのではなく、IPADを使えば誰でも不動産調査すなわち新スキーム調査(悉皆事例調査)が容易に可能となる時代がやってきているのである。 新スキーム調査は鑑定士固有の業務であった時代はもう終わりを告げていると云ってもよいであろう。デジタル化の止めどもない進展は、これまたコモデテイ化の止めどもない進捗なのである。
 IPADの出現は鑑定士を「新スキーム調査」の負担から解放するであろうし、それは同時に新スキーム調査の独占という地位から鑑定士が滑り落ちる日になるであろう。 事例資料の閲覧権限とか管理権限とか過重な負担などと鑑定士が騒いでいた日々を、懐かしく思い出す日は以外に近いことであろうと予感する。
 
 

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